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16話 攻防

ジュリアの背後から出ている触手は勢いを増してエリザベスやエイブラハム、そしてクリスを襲った


エイブラハムとクリスは防御魔法を展開して防ぎ、エリザベスはレイピアを使い触手を斬っていく


ヴァレンタインは木の上にいるジュリアに向かって飛び出した

すると先程までしなるように暴れていた触手が槍のようになると、ジュリアから離れヴァレンタインに向かって放たれた


「ちっ!」

ヴァレンタインはジュリアへ近づくことが出来ず槍を避けると、槍はザクザクと音を立て次々と地面に突き刺さっていく


一体なんの魔獣なの?


クリスは後方からジュリアを観察していた

魔獣は動物の形をしているのにこのジュリアの攻撃を見る限り、動物の要素がない


ジュリアは木の枝に座ったまま右の手のひらを上に向けた

するとパリッと閃光が起きると何もない空間に亀裂が入り、そこから男が転がり落ちるように出て来た


男は剣を抜き落下の勢いを活かしてエリザベスに向かって落ちるとエリザベスに向けてブン!と斬ったが、エリザベスはひらりと後方に飛び退いていたので、男の剣は空を斬っただけだった

男は着地すると、剣をエリザベスに向けて構えた


男は人間ではない

薄い水色の髪に、瞳も薄い水色をしている

だがその顔には全く表情というものがなかった


別の魔獣を召喚したの?

あの男は何の魔獣!?


クリスは落ち着いて男とジュリアを見た


男は自分の足元に落ちているジュリアの左手首を拾うと、木の上にいるジュリアを見上げた

するとジュリアはヒラリと座っていた枝から飛び降り、男の横に降り立った


男はすっとジュリアに左手を渡すとジュリアはそれを受け取り、切れている部分を合わせると腕はすうっと元通りに繋がってしまった


「器用だな」


ヴァレンタインは呆れている


ジュリアは現れた男の肩に手を置くと、もたれかかり妖艶な笑みを浮かべる

「誉め言葉と受け取るわ」

「誉めてないし」


魔獣といえど、一度切れてしまった腕や足を元通りにする事は出来ない

このジュリアは魔獣とは違うのか?

だが人間を喰っていた


ヴァレンタインもクリスもわからなかった


エリザベスも困惑していた

ジュリアが何の魔獣か全くわからない

しかも亜空間を使い、男を出して来た


魔獣ならば、かなり上位の魔獣になる


()()()()()


エリザベスは考えを巡らせた


「どうして皇太子殿下に近づいたの?」

クリスは探りを入れるために聞いた


「貴女は随分、美味しそうね

彼に可愛がられているようだし…私が食べたら彼はどんな顔をするかしら」

ジュリアはヴァレンタインが悔しがる顔を想像するとゾクゾクした


「そんな事はさせない」

ヴァレンタインは一歩でジュリアの元まで距離を詰めると拳で男を殴り飛ばした

ジュリアは殴られる寸前に飛び退いていた


殴り飛ばされた男は地面に倒れたが、やんわり立ち上がると口から血を流していた

だがその血は緑色をしている


クリスは杖を召喚し男に向けると数多の氷の粒が現れ、氷の粒を男に向けて放った

氷の粒は男の身体を貫くと、男の体は穴だらけになった


だが男は痛がるわけでも、倒れるわけでもない

緑色の血を流しながら黙って立っているだけだ


「あらあら、この子は私ほど再生能力が優れていないのよ

こんなにボロボロにしたら治るまで時間がかかるじゃない」

ジュリアを口に手を当てて困っているような仕草をした


口に当てていた手をさっとクリスに向けると、ジュリアの人指し指が触手のように伸びクリスに向かった


「!」


クリスが防御魔法を展開しようとした時にエリザベスがクリスの前に飛び出し、レイピアで触手を斬った


斬られた触手は地面に落ちてウネウネ動いている

「クリス、浄化して」

「え?うん」


エリザベスに言われ、クリスは落ちている触手に杖を突きさした

ジュッ!と激しい音を立てると、触手は煙を上げて消えてしまった


ジュリアは指を元に戻すが、斬られているので指は半分しかない


「貴女、何の魔獣かと思ったけど魔獣じゃないのね」

エリザベスは冷ややかな目で睨みながら言った


「魔獣じゃない?」

クリスは驚いた


「ふふ、魔獣だろうが人間だろうが関係ないわ」

ジュリアは楽しそうだ


「私は私の思うがままに生きるの

今は彼を手に入れたい

でも…」


ジュリアはちらりと男を見た

男は先程のクリスの攻撃で体中穴だらけだ

「今日は挨拶だけにするわ

この子を治してあげなきゃならないから

これで失礼するわ」

「逃げる気か?」


ヴァレンタインはジュリアに飛び掛かろうと構えた


ジュリアは右の手のひらを上に向けると、また何もない空間にパリッと閃光が走り亀裂が入った


「逃がすか」

ヴァレンタインはジュリアに飛び掛かった


だが先程とは違い亀裂は大きくなりジュリアと男を飲み込むと消えてしまい、ジュリア達と入れ違いのようにヴァレンタインはジュリア達が居た所に着地した


「くそ、逃げたか」


辺りをキョロキョロ見渡すが、ジュリアはいない


「亜空間を使って逃げたのよ

追う事も出来ないわ」

エリザベスはヴァレンタインにそう言いながら、ヴァレンタインの側へと来た


ヴァレンタインの足元には男の残した緑色の血が残っていた


エリザベスは屈むと、そっとその血に触れた

「………」


「ベス?」

クリスもヴァレンタインの側に来ると、エリザベスが何をしているのか見た


エリザベスは立上るとヴァレンタインを見た


「あなた、面倒な奴に目を付けられたかもしれないわね」




ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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