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10話 招待

今年、社交界デビューを果たす令息・令嬢達によるダンスが始まった


クリスはパートナーであるヴァレンタインと踊って驚いた


「ヴァル、上手いわね」

「当たり前だ」


ヴァレンタインは得意気だ


「人間の社交界に出た事があるの?」

「ルガード国の首都に住んでいた事もある」

「そうだったの?」

「ベスと人間として生活した事があったな

あの時もオルドリッジ家がいろいろ手助けをしてくれた」

「そうなの?凄いわ」


まさかヴァレンタイン達とご先祖様に関わりがあったとは思ってもみなかった


「あの頃は魔法使いもいっぱいいたからな

俺達が獲って食べてたら、オルドリッジの当主が俺達の討伐に来たんだ」


でしょうね


クリスは頷いた


「でも俺達を討伐出来なくて妥協案を持ち出したんだ」

「妥協案?」


ヴァレンタインは「うん」と頷いた

と、ここでターン

クリスはくりると回された


「バックアップするから、人間として生活してみないかって

人間をもっと知って欲しいとか言ってな」

「だからちゃんと名前があるのね?

しかも伯爵なんでしょ?」


ヴァレンタインは迷惑そうな顔になった

「爵位はどうでも良かったが、首都で生活するのに便利だとか言って…

当時の国王も手伝ったから、爵位は簡単に手に入ったんだ」


そうなんだ

国王陛下まで加担されていたんだ


「しばらくはベスと人間に紛れて生活してたんだ

その時にこんな風に社交界とかいうやつにも出てたんだ」

「当時の人はヴァルやベスに心奪われたでしょうね」

「もちろんだ」


ヴァレンタインは鼻高々に言った


このネコ科の魔獣姉弟はいつも自信満々だ

容姿もそうだが魔力も魔獣の中ではトップクラスなので仕方ないが…

挫折って言葉を知らないんでしょうね

クリスは羨ましくなった


「どれくらい人間として生活してたの?」

「さぁな?その時のオルドリッジの当主が死んで、その子供も居なくなって…それくらいまでかな?」

「結構いたのね」


人間の時間では『結構』だが、魔獣のヴァレンタインにはあっという間だったかも知れない


そう考えているうちにダンスが終わった


男性の列と女性の列は少し離れて挨拶をした

そしてそれぞれエスコートされ、ホールを後にした


  ♪♫♬ ♬♫♪


今は立食スタイルの夜会へとなっていた


若い男女は楽しく踊ったりお酒を飲んで楽しそうにお喋りをしたりと様々だ


先程、魔法使いを良く言っていなかった令嬢達はクリスにヴァレンタインを紹介して欲しいとせがんでいた


他の令嬢達も超イケメンのヴァレンタインに興味津々で集まっている

そのうちヴァレンタインは令嬢達に囲まれて、クリスはその輪から追い出されてしまった


すると今度は令息達がクリスの周りに集まって来た


ヴァレンタインは「失礼」と言うと令嬢達の輪から脱出して、クリスの元へとやって来た


「少し休もうか」

ヴァレンタインがそうクリスに話し掛けたので、クリスも

「ええ」

と応えると、ヴァレンタインはクリスを連れてテラスへと向かった


クリスとヴァレンタインはテラスに出てシャンパンを飲んだ


「ひどい目にあった」

「ヴァルは大人気ね」

「今も昔も変わらないな」


という事は昔も令嬢達に大人気だったという事か


「私が恨まれそうだわ」

「何で?」

「ヴァルを一人占めしているみたいだから」


ヴァレンタインはクリスに近づくと片手をクリスの頬に当てた


「それでいい」


しばらくクリスの思考は停止したが突然顔がボッ!と熱くなった


「ば、ばっ、ヴァル…」

「うん?」

クリスはオロオロになっている


「あら、お邪魔でしたか?」


突然、声がした

クリスは慌てて声のした方を見るとヒラヌル王女とベルナルド皇太子が会場からテラスへとやって来ていた


クリスは慌てて淑女の挨拶をした


「ベルナルド皇太子殿下とヒラヌル内親王殿下にご挨拶申し上げます」

「初めまして、クリスティーナ嬢

今日は貴女方が主役だ

楽になさって下さい」


ベルナルド皇太子が優しくそう告げたので、クリスは顔を上げた

「ありがとうございます」


「魔法使いとしての仕事の方はどうだい?」

ベルナルド皇太子は気さくに声を掛けて来る


「まだまだ未熟ではありますが、精一杯務めさせて頂いています」

「そうか

貴女のような可憐な方が魔獣討伐をしているとは信じられないな」

「オルドリッジ家の者として、与えられた責務を務めるのは当然です」


可愛らしい容姿のクリスだが、凛とした対応が清々しかった


「今度、ゆっくりお話しを聞きたいな

ぜひ一度お時間を作って下さい」

「ありがとうございます

魔獣は神出鬼没です

ご無礼がないよう、父に話しておきます」


クリスはベルナルド皇太子の誘いをやんわりと断った


ヴァレンタインは横で聞いていて、ニッコリと微笑んだ


「クリスティーナ様、こちらの方は?

ご紹介頂けません?」


ヒラヌル王女がヴァレンタインをうっとり見ながらクリスに頼んだ


「ベイル国のヴァレンタイン・リアム・レイメント伯爵です」


そう紹介されたヴァレンタインはヒラヌル王女の手を取り口づけをした


「ヴァレンタイン・リアム・レイメントです

お見知り置きを」


ヒラヌル王女は顔を赤くしている


「クリスティーナ様はベイル国と何がご関係がおありですの?」

「ヴァレンタイン伯爵は魔法使いなのです」

「まぁ、それでお知り合いなのですね」


ヒラヌル王女はヴァレンタインを見つめると

「ヴァレンタイン伯爵、どうぞごゆっくりルガード国にご滞在下さい」

「ありがとうございます」


ヴァレンタインが微笑むと、ヒラヌル王女はまたうっとりしてしまっていたが、ハッと何かを思いついた


「クリスティーナ様、ヴァレンタイン伯爵

今度の私のお茶会においで下さいませ」

「それはいいね」


ヒラヌル王女の提案をベルナルド皇太子が受けた


「すぐに招待状を送ろう

ぜひお越し下さい」


クリスとヴァレンタインはこのデビュタントが終わればすぐにヴァレンタイン達の屋敷に帰るつもりだったので、嬉しくない招待だ


「…ありがとうございます」


クリスとヴァレンタインは引きつった笑顔で応えた





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