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レイノルズの頬笑み

作者: やきにくかるび

大好きな彼女は澄んだ世界に住んでいる。



付き合ってからはまだ1年ぐらい。



彼女はいつも笑っているが隙がない。



でも僕だけが知っている。



彼女は水と空気を綺麗にできる。



ゴミだけではなく、握った液体や気体を純度を100%にする。



左手に収まる量だけ。



利き手を極力使わないのはそのためだ。



手についたビールは舐めると一気に倒れてしまう。



今日の彼女も笑っているが隙が無い。



体調が悪くなっている僕に少し冷たい。



本当に熱があるか疑っているようだ。



羽があれば飛んでいきたいほど苦しいのに。



そんな僕に彼女は「治してあげようか?」と呟く。



無理だろと言って再び眠りにつく。



夜中の静けさの中、心臓の音が目の前に感じる。



自分の音だった。



さすがに限界を感じた僕は救急車を呼んだ。



その後の記憶はない。



目を覚ますと身体のいたるところを殴られたほどの痛みが走った。



横には笑顔のない彼女。



一生懸命無菌室の中で左手を振り回していた。



目を覚ました僕を見ると、彼女は寝たふりをはじめた。



すぐに看護師さんが来た。



自分の命の短さと、彼女が病院にいた時間を知る。



僕はウイルス性の病らしい。



彼女は100回くらい自分の身体を消毒したあとに泣きながら永遠に左手を振っていたらしい。



泣きながらもう一度眠りにつく。



死ぬのは怖いが、この恐怖は何度も体験している。



朝起きると左手を振っている彼女が動きを止める。



右手は僕の左手を強く握っている。



「治してあげようか?」



呼吸器を外して彼女が震えた唇を近づけてくる。



ありがとう。



そっと寝そべっている彼女の横にも置いてある呼吸器を彼女の口に戻してまた眠りについた

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