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詩*日常から*

侵略の雨

作者: a i o



雨の中で音は捕らえられた

わたしの声

発したそばから

掻き消えるように


巧妙な罠のような

雨粒の連打

隙のない空間に

放り出され

わたしは今から

すっかり雨に

のまれてしまうのだろう


雨の胃の中で

近隣の景色──

狭い小路と

ブロック塀

隣家の庭先のオリーブ──

そんなものと溶けあい

ちょっとした

自己憐憫が霧散するさまを

わたしは他人事のように見つめ

濡れている


されど、

わたしの声


捕らえられたわたしの声は

唇の形そのまま

打ち付けられた

古びたアスファルトの上


窪んだ水溜まりのなかで

時折跳ねては

波紋をつくり

否応なしに

組み込まれるこの世界に

なけなしの抵抗を

試みるのだ







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