2 追想と小さな決意
皆の乗る馬車を見送った後、フラつく体を引き摺るようにして小鳥たちの宿り木亭まで戻ってきた。
何も考えたくなかった。リーネとのペアを解消したことをギルドに報告しなくてはならないという単純なことすら、どうでもいいことのように思えた。
今はただ眠りたい。今なら何も考えず泥のように眠れる筈だから。
俺はベッドに身を投げ出して、そのまま深い眠りに落ちていった。
◆
ガタゴトと馬車が揺れる度にミラマスから離れていく。その現実を認めたくなくて目を背けるように膝に顔をうずめた。
なんで、どうしてと、そんな思いが頭の中でぐるぐると回り続けていた。
新天地に向かう楽しい旅立ちになる筈だったのに、今はカイトとの思い出ばかりが浮かんでは消えていく。
カイトはあたしの言うことなら、きっと聞き入れてくれると思っていた。
いつだってカイトはあたしの意思を可能な限り尊重してくれたし、今回だってきっとそうしてくれるだろうと、そう思っていた。
今にして思えば前に2回断られたことを、もっと重く受け止めておくべきだった。
カイトに言った広い世界を旅してみたいという思いに嘘はない。自分の剣がどこまでの高みに至れるかだって、ずっと知りたいと思っていた。
12歳の頃に剣の腕で村一番になった時、それまでは漠然と考えていた冒険者になりたいという夢は、一気に現実的な目標として実感できるようになった。
あたしはカイトに冒険者になると告げて、そうするのが当然のように一緒に来てと言うつもりで。
でもカイトはあたしが冒険者になると言ったらすぐに一緒に行くって言ってくれて、嬉しさを感じると同時に拍子抜けしたことを覚えている。
もっと小さな頃のカイトは怖がりで泣き虫に加えて弱っちくて、村の同年代の男の子たちからいつも仲間外れにされていた。
カイトは一言で言えば変な子だった。誰もカイトに意地悪や嫌がらせをしていないのに、突然泣いて震えだすことが頻繁にあったからだ。
いつも一人ぼっちで寂しそうにしていて、あたしから話しかけることはなかったけれどかわいそうだと思っていた。
そんなカイトはいつからかあたしの後ろをとことこ付いて回るようになっていて、その時のあたしは同い年なのにまるで弟みたいだなと思ったことを覚えている。
カイトに付きまとわれるのが別に嫌じゃなかったのは、あたしが嫌がることや悪口を言ったりすることを決してしなかったからだ。
村の他の男の子たちは、あたしのことを暴力女だとか女の癖に生意気だとか言って意地悪してくるから嫌いだった。
お父さんとお母さんにそう言ったら、男の子には好きな女の子に意地悪したくなる悪い癖があるって教えてくれたけど、それなら意地悪な男の子たちよりもカイトの方が優しいしずっとマシだと思った。
あたしが男の子たちより喧嘩が強くてもカイトはニコニコしながら「リーネは可愛いのにとっても強くてカッコいいよね。僕もリーネみたいに強くなりたいなあ」って嬉しそうに言ってきて、なんだかこっちの方が気恥ずかしくなってしまったのを覚えている。
怖がりの泣き虫で弱っちい癖にあたしにはとっても優しくて、そんなカイトのことが気になっていつの間にか好きになっていたのは、きっと自然なことだったのかもしれない。
今までだってカイトより容姿が優れた男の人はいたけれど、カイトより優しくてあたしのことを大事に思ってくれる男の人は一人もいなかったし、そもそもカイト以外の男の人を好きになる自分が想像出来ないんだ。
あたしたちが8歳を越えた頃に剣術の鍛練を始めてから少しして、カイトは村のハンターで元冒険者のギドおじさんにハンターの見習いとして師事するようになった。
その時はそれまでずっと一緒に過ごしてきたカイトをおじさんに取られたような気がして、それが嫌でカイトを無理やり剣の鍛練に付き合わせたりもした。
あたしみたいに強くなりたいって言ったんだから、一緒に剣で強くなればいいのにって。
その時のカイトはなんだか困ったような、それでいてどこか嬉しそうな表情であたしに付き合ってくれて、あたしもそれが嬉しかったことを覚えている。
あたしたちが10歳を迎えた頃には、カイトはおじさんたちの狩りを手伝えるほどの腕になっていて、その将来を有望なハンターとして期待されてもいて、怖がりなのは変わらなかったけど泣き虫と弱虫はとっくに卒業していた。
だけど泣き虫と弱虫を卒業した代わりに山に入ることを酷く怖がるようになっていて、カイトはおじさんたちと一緒じゃなければ絶対に山に行こうとはしなかった。
どうしてそんなに山が怖いのかと聞いてみたら、山は魔物たちや悪い奴らがいるから、と怯えた顔で答えてくれたけど、おじさんたちは普通だったから余計に気になった。
あたしは怖いなら克服すればいいと単純にそう思って、何度かカイトに山に行こうと誘ってみたけど、カイトは絶対にダメだと言い張って、結局力になってあげられなかった。
おじさんたちにも相談してみたけど、ハンターとして生きるなら山林を畏れるのは悪いことじゃないし、そのうち慣れると言うばかりで、結局納得できる答えは得られなかった。だって、カイトの山への怖がりようは尋常じゃなかったから。
カイトの両親が立て続けに亡くなったのもそんな頃だった。始めにカイトのお父さんが山で魔物に殺されてしまって、それに深く傷ついたカイトのお母さんが床に伏せるようになって、元々あまり体が丈夫な人じゃなかったから、そのまま衰弱して3ヵ月後に後を追うように最期を迎えてしまった。
カイトは両親の死にとても悲しそうだったけど、泣くことはなかった。それでもあたしはカイトが心配で堪らなくて、少しでもカイトを甘えさせてあげようとお姉さん風を吹かせていたのを覚えている。
11歳の時のある日、いつものようにカイトはおじさんたちと狩りに出掛けたけど、その日はいつもより早く戻ってきたと知らせが入って、何かあったのかと心配になって様子を見に行ったら、ボロボロの衣服を身に纏った三人の20歳前後の見慣れない女の人たちと共に、顔を青ざめさせながらガタガタと震えているカイトをおじさんたちが抱えて帰ってきたところだった。
――あの日のことは、今でも鮮明に思い出せる。
カイトが怪我をしたのかと思って気が気でなくなって駆け寄ったら、おじさんたちにカイトのことは心配いらないから大人の女たちを呼んでこいと言いつけられて、渋々ながら言う通りにして三人の女性たちを介抱していたら、漸く安心したのか女性たちがぽつぽつと事情を話し始めた。
――例えどれだけ忘れようと思っても忘れられない。
女性たちは野盗に攫われて、山にある野盗たちのねぐらに監禁されてその体を散々辱しめられた挙げ句、数日後に奴隷として売り飛ばされる寸前のところでおじさんたちとカイトに助けてもらったんだと話してくれた。
――剣の天才だと言われて嬉しくて、年上の男の子たちだってあたしには敵わないほどだったのに。
その話を聞いてとても悲しい気持ちになったけど、カイトの様子もずっと気になっていて、その場を大人の女性たちに任せてあたしはカイトのところへ向かった。
――それまで培ってきたものが、ボロボロに崩れ去っていくようで。
カイトはギドおじさんの家にいて、おじさんのベッドの上で毛布にくるまって震えていた。焦点の合わない目で歯をカチカチ鳴らしながらごめんなさい、ごめんなさいとうわ言のように繰り返していて、カイトのそんな姿を見たのは初めてだったから、胸が締めつけられる思いがして。
――それがとても嫌で、どうしようもないほど怖くなって。
詳しい話をギドおじさんに聞いたら、狩場に向かう途中で人の集団が移動した痕跡を見つけたから、気になって辿ってみたら草木で作られた簡易的な住居を見つけて、そこから女性の啜り泣く声が聞こえてきて、それがどうも野盗のねぐらのようだから応援を呼んで討伐するか相談していたら、カイトが今すぐ女の人たちを助けてあげたいと懇願してきて、野盗の数も十人ほどしかいないみたいで、おじさんたちとカイトで八人いたから弓で遠くから狙撃すれば一方的に叩けると判断して、充分に隙を伺って相手の不意を突いた上で全滅させることが出来たのだと話してくれた。
――無性にカイトが傍に居てほしくなって。
おじさんが言うにはカイトは人と戦うのは初めてなのに二人の野盗を仕留めたらしく、思った以上に優秀なハンターになりそうだと褒めていた。これなら例え冒険者になってもレンジャーとして立派にやっていけるだろうとも。
――カイトの方が深く傷付いていた筈なのに、あたしは。
震えるカイトになんて声をかけてあげればいいのか分からなくて、あたしはただ抱き締めてあげることしか出来なくて、それが悲しくて泣いてしまった。
――カイトに守ってほしいと、そう思ってしまった。
大抵の人は初めて人を殺した時はカイトみたいになるっておじさんは言って、おじさんも初めての時はそうだったと教えてくれたけど、早くいつものカイトに戻ってほしくて、でもどんな風にそれを伝えればいいのか分からなくて。
――あたしはきっと、とても我が儘で。
その日以降、それまで以上にカイトのことを強く意識するようになっていった。
それから2週間も経つ頃にはまたいつものカイトに戻ってくれて、それがとても嬉しくて、あたしはカイトの優しさに甘えるようになった。
初めの頃は弟のように思って可愛がっていたのに、守ってほしいと思ってからは急にカイトが逞しく見えて、何気ない仕草にドキドキすることもあった。
それでもただ守られるだけの女の子にはなりたくなくて、今まで以上に剣の鍛練を頑張った。
カイトと二人で冒険者になれたらどれだけ楽しいだろうかと思うようになったのも、そんな頃で。
剣の腕で村一番になってカイトに冒険者なると告げて、一緒に来てくれると答えてくれてから13歳になって村を出るまでの間に、カイトはいつの間にか山への恐怖を克服していた。
あたしとカイトが冒険者になると知った村の同年代の男の子たちはとても強く反対して、それまでの悪口や意地悪が嘘のようにあたしに優しくし始めた。それからは男の子たちに何度も告白されたり結婚を申し込まれたりしたけれど、カイト以外の男の子たちはそれまでのこともあって好きになれなかったし、何よりあたしはカイトのことが好きだったから、全部お断りしてやったんだ。あの時は本当に胸がすく思いだった。ざまみろ。
そんな男の子たちも、ギドおじさんを始めとしたハンターの人たちや元冒険者の大人たちが強く抑え付けてくれて、最後は皆があたしたちを笑顔で見送ってくれたんだ。
あたしたちが村を出る時にカイトはもう住まないからって実家を村の共有財産として明け渡していたけど、そこまでする必要はなかったんじゃないかと今でも思う時がある。
ミラマスに出てきた頃は何もかもが新鮮で、カナバの村から馬車でたった1日の距離なのに、こうまで景色が変わるものなのかと感動したことを覚えている。
村を出るのは二人とも初めてのことだったから、二人しておっかなびっくりギルドで冒険者の登録をして、駆け出しの冒険者にお勧めだとギルドの職員さんが教えてくれた小鳥たちの宿り木亭に向かって、そこで泊まろうとしたまではよかったんだけれど、二人の少ない手持ちで泊まれる部屋が相部屋しかなくて、これがギドおじさんが教えてくれた駆け出しへの洗礼かと思ったものだ。
あたしたちが泊まることにした相部屋には年上の男の人が三人いて、あたしの体を舐めまわすようにニヤついた目で見つめてくるから、それが堪らなく不快だったけど、カイトがその視線を遮るように間に入ってくれて、あたしが安心出来るように振る舞ってくれた。
寝る時は二段ベッドの上下に別れて寝ようとしたんだけど、カイトがあたしを上のベッドに押し込んで、真っ赤な顔で一緒のベッドに潜り込んできながら、絶対あいつらに変なことはさせないからって、そう言ってくれて。
一緒に寝るのはとても恥ずかしかったけれど、でもカイトとなら決して嫌ではなくて、大人一人が寝るのがやっとの狭いスペースしかないベッドでぎゅうぎゅうになりながら、手を繋いで眠って。
相部屋に寝泊まりしていた1年間は、ずっとそうしてあたしを守ってくれていた。
あたしたちが駆け出しの頃は、どこへ行くのも何をするのも一緒で、二人で低ランクの依頼をこなしたり、たまに別パーティーと合同で二人だけでは難しい依頼に挑んだり、忙しくも充実した日々を過ごしていた。
先輩の男性冒険者たちからパーティーに勧誘されることも多々あったけど、そういう人たちの殆どが相部屋の男の人たちみたいに嫌な目であたしを見てくるから、いつも最後はカイトが断ってくれて、それでも相手が強引に迫ってきたら二人で叩きのめしたりもして。
そんな風にペアのままでいたら、月日が経つにつれあたしたちはギルドの公認カップルみたいな扱いをされるようになって、二人して気恥ずかしい思いをしたりもした。
あたしたちは依頼をこなしていくうちに、ギルドの職員さんたちに有望な若手の剣士とレンジャーとして評価されるようになって、特に受付のハンナさんからの忠告として、優秀なレンジャーは望んだからといって簡単に得られるものではないから、カイトのことは手放さないようにと念を押されて、カイトの実力を認めてもらえたことが嬉しかった。
あたしたちと似たり寄ったりの低ランクの冒険者たちは、あたしの剣士としての実力だけしか見ていなかったから。
カイトがギドおじさんの弟子になった時は子ども心におじさんに嫉妬したりもしたけれど、あの頃のカイトの頑張りがあったから今こうして息の合ったペアとして活動出来るんだって、改めておじさんに感謝の念を抱いて。
二人とも剣士だったらバランスがとれなくて、一緒には居られなかったかもしれないから。
あたしたちのランクが青銅級から軟鉄級に上がった14歳の時、カナバ村の裏山に二十人程の野盗の集団がいるという一報がギルドに入ってきて、11歳のあの時のことを思い出したあたしは、今なら自分も戦えると強硬にカイトに主張して討伐隊に志願した。
カイトはあたしが一緒に行くことをとても渋ったけど、あたしはあんな無力な思いは二度としたくなかったし、何より許せなかったから、無理やりカイトに同行を認めさせた。
討伐隊は2つのパーティーとあたしたちを含めた冒険者が十二人と、領主軍の兵士が六人の合計十八人で、二十人程度の野盗が相手ならそれほど苦戦はしない戦力構成で山に向かった。
ねぐらの近くにいた野盗の見張りを仲間たちが始末して、そこから様子を伺ってみれば野盗たちが笑いながら女性を慰み者にしていて、そのあまりの光景に我を忘れて一人で突撃しようとしたのを皆に止められて、慎重にタイミングを見計らった上で一斉に攻撃を仕掛けた。
戦いは始まってみれば一方的で、あたしはその時初めて人を殺した。相手は悪党で、同じ人間だなんて認めていなかった筈なのに、戦いが終わった後に何度も嘔吐して、体の震えが止まらなくなって。
人を殺すことに、強烈な忌避感を抱くようになってしまった。
魔物たちを殺しても何も感じたことなんてなかったのに、ただ相手が人間に変わっただけで、刃が肉を切り裂く感触をとても不快に感じて、その結果として命が失われていく光景を直視出来なくて、堪らなく怖くなって、カイトに縋り付いてただ震えていた。
ミラマスに戻ってからもカイトはずっと傍にいてくれて、あたしが落ち着きを取り戻すまでの3日間は、相部屋で寝泊まりしていた時のように一緒のベッドで手を繋いで眠ってくれた。
カイトはあたしが知る限り人と戦うのは2回目の筈なのに、とても落ち着いていて冷静で頼もしく思ったけれど、同時に何故だかカイトの存在を遠くに感じてしまって、それが少し悲しかった。
あたしはカイトみたいにはなれそうになくて、でもこれ以上カイトにその手を汚してほしくもなくて、そんな風に考えてしまう自分の傲慢さが嫌で。
強くなりたいと、切にそう願った。
圧倒的な実力差があれば殺さずに済ませることも可能な筈だって、そう思ったから。
広い世界を知りたいというのも、自分の剣の限界を知りたいと思うのも決して嘘じゃないけれど、それ以上の本心はカイトの強さに並びたかっただけなんだ。
単純な実力という意味だけではなく、その心の強さに。
そんな思いを抱きながら日々を過ごして、そして極光の皆と出会い何度も合同で依頼をこなして皆からパーティーに誘われるほど親しくなると、この人たちの仲間になるのも悪くないと思うようになった。
弛まぬ向上心とそれに見合う実力を兼ね備えていた極光の皆となら、あたしたちはどこまでも行けるんじゃないかと、そう思ったのに。
今あたしの隣にカイトは居なくて。
それが悲しくて、堪らないほど寂しい。
「今更だけど、本当にこれでよかったのかしら」
「最後のあの時、カイト泣いてたよね……」
ふと顔を上げて皆の方を見ると、どうにも落ち着かない空気が漂っていた。
「まあ、冒険者みたいな稼業なら引き抜きはよくあるっちゃある話なんだがな」
「はぁ……。三度目の正直だと思ったのに、早まってしまったわ」
「でもでもさ。カイトもカイトだよね。あんなにリーネに好き好きオーラ向けてたのに」
「そうなんだよね。僕が彼の立場なら絶対に離れたくないだろうと思うんだけど」
「……多少強引にでも連れ出した方がよかったのかしら」
なんだか話が怪しい方向に進もうとしている。
「それもアリかもな。次に会った時もぐだぐだ言って断るようなら、いっそのこと攫っちまえばいいんじゃねえか」
「おー、ガーレンってば大胆だね」
「それは幾らなんでもやりすぎじゃないかなあ?」
「嫌よ嫌よも好きのうちってな。あれこれ頭で考えるよりよっぽど手っ取り早いぜ」
「それは……。うん、ありかもしれないわ」
「ちょっと、カトレアまでそんなこと言って」
……怪しいどころの話ではなかった。
だけど、あたしの沈んだ気持ちを少しでも明るくしようと皆が気遣ってくれているのが嬉しくて。
だからだろうか。皆の提案がとても魅力的に思えたのは。
「その話、乗ったわ」
「ええ、ちょっ。リーネまで」
「リーネも大胆だね! やっぱり私たちはこうでなくっちゃ」
「サーナも煽ったらダメだって……」
「ヨハン、いいの。カイトがあたしを袖にしたこと、絶対に後悔させてやるんだから」
「ラブラブですにゃあ」
そう言ってサーナはヨハンにしなだれかかった。どっちがだ。くそう、羨ましくなんかないんだぞ。
ヨハンも満更でもないのか、赤くなって俯いている。なんだかかわいい。
この二人には負けていられない。……別に勝負はしてないけれど。
カイトはいつもあたしに優しくて、そんなカイトを好きになってしまったから。
だから、あたしの傍にはカイトが居てくれないとダメなんだ。
待ってなさいカイト。次こそ絶対にあたしから離れられなくしてあげるんだから。