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異世界再生物語  作者: TARO
第一章 ブラーナ市
2/3

プロローグ2

本話でプロローグは終わりです。

1話にまとめても良かったかもしれませんね・・・。

「なんだよ、俺TUEEE系かよ」

嫌っていた俺TUEEE系の主人公に自分が選ばれてしまったことに苦々しい表情を浮かべる孝。


「"俺つえー系”というのは何を指しているのかがよくわかりませんが、まずはこの世界について説明いたします」


時の女神:フォルトゥーナが管理するイストリアと呼ばれる世界。

フォルトゥーナ達神々によって管理され、国々を脅かす魔王の存在などを時折生み出しながら、世界の安定を図っていた。

ところがある時から、世界の国々が”異世界からの使者”を呼ぶようになったのだ。


この世界で行われている異世界から使者を呼び出す方法は、世間一般的に召喚魔術や召喚技法などと様々な名前で呼ばれているが、本質は同じである。世界の住人がその召喚を行った時に、フォルトゥーナを含めた神々がこれに応え、術者の技量・魔力量などに相応する異世界の人間と交渉の上で世界間の橋渡しを行う。これによって、召喚は成功するのである。


もちろん、召喚される異世界の人間をそのまま送り出すのでは肉体面・環境面などから問題がある。元々特筆すべき能力を持つ人間はほとんどいないからだ。そのため、神々が異世界の人間に対して願いを叶え、イストリアに送り出してきた。

願いの例を挙げるならば、イストリアの人間に比する者がいない程の魔力やスキル。異性に対して思慕の念を抱かれやすくなるようなものがあった。


「私達がお願いした手前、召喚される者の願いには可能な限り応じるべきだというのが多数派でした」

孝も納得の表情を浮かべる。自分がまさに直面している状況はコレで、かつ自分に世界を救う能力があるとは思っていないからだ。


「喚びだした彼らは確かにこちらで頑張ってくれました」


能力を得た転生者は、イストリアにおいて確かに成果を出した。魔王に襲撃を受け、滅亡寸前だったある国は世界有数の大国へと成長を遂げた。周辺諸国からの武力行使に怯える立場だった国も、対等に渡り合えるまでに成長した。

小さな集落で、まとまりのない無法地帯であった一帯も、気がつけば国体を成していた。


「でも、私達は与えすぎてしまったのです」


時を経る毎に増える転生者。旧くからいる転生者はイストリアで子を為し、その子供が次代を担う人間となる。しかし、一度得られた強大な力に溺れた国は再び召喚術式を使用する。


結果として本来イストリアが許容できる力の最大量に達しつつあるのだ。

「その力が最大より溢れるとどうなるんだ」

孝はフォルトゥーナに尋ねた。

「越えた瞬間に世界は弾け、存在が消失すると共に他の世界にその影響は波及するはずと思います」


フォルトゥーナは曖昧な表情で答えた。


「厳密に言えば、どういう影響が起きるかはわかっていません。この世界が想像されてから悠久の刻が過ぎ去りましたが、その全容は明らかになっていないのです」


世界が消失した瞬間、その世界を管理する神々も役目を失うことにより消失する。故に、誰一人として記録を残しているものがいないのである。



「とりあえずどうなるか分からないけど、それが起きたら間違いなくヤバいってことか」

理解した素振りを見せる孝に、その理解が正しいものであることを認めるように頷くフォルトゥーナ。


「それで、何で俺なんだ」

孝の疑問はこの1点に集約される。

話を聞く限りでは特に自分である必要はない。もっと有効な人選があったのではないかと考えたのだ。


「たまたまタイミングが合った、というのもありますが、イストリアに送られている転生者は貴方の世界・貴方の国からが最も多いのでやりやすいのではと思いました」


「自分と同程度の知識とかで色々やっている奴がいたら見つけやすいってことか」

頷くフォルトゥーナ。


「思うところは色々あるが、その頼み受けてやるよ」

孝の言葉にフォルトゥーナは笑顔を浮かべる。


「でも、実際どうやって対処するんだ。相手はいわゆる凄い能力を持った奴らなんだろ、一般人の俺で何とかなるのか」


「それは心配ありません。貴方にも力を与えます」


孝は耳を疑った。力を与えすぎて世界の危機が訪れているという話を聞いた直後に更に力を与えると言う話は矛盾があると思ったのだ。

そんな孝の心配を見てとったのか、フォルトゥーナは続けた。

「心配しないでください。他の冒険者には増やす、高める等の正の力でしたが、貴方に与えるのは奪う方の力、負の力です」


その瞬間、孝の手に黒いものが纏わり付く。

慌てて腕を振り回す孝。宥めるフォルトゥーナ。

「その力は転生者と対峙する時のみ発動するもの。転生者が神々から受け取った力を無効化する能力です」


「これがあれば何とかなるかもしれないな」


「それではどうか、この世界をよろしくお願いいたします」

「わかった、フォルトゥーナさん」

「どうかティルミアとお呼びください。次にお会いするのは世界をお救いいただいた後になると思いますが」


そうして、世界に影響を与えない程度に基本的な装備を与えられた孝は新しい世界・イストリアへ旅立つのだった。

久々に書くので2000文字もとても長く感じました。

自分がROMってた時に読んでた小説はいずれも1話が結構長い印象でしたのでもう少しボリューム高めても良いのかもしれません。

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