りぜろからはじめるてんせいしたらたまごだったけん
特になし、あえて言うなら卵
「おい!おい!起きろ!」
騒がしい声とともに肩を揺さぶられる
ゆっくりと瞼と共に起き上がると、そこは皿の上だった。
隣にはウインナーが居て俺の肩を掴んでいた。
「やっと起きたか、早くここから抜けるぞ」
「これは一体どういう状況なんだ……」
俺は思わず声にならない声で呟く、だって目が覚めたら皿の上でウインナーに肩を掴まれて起こされてるとかいう、意味不明な状況なのに、普通にウインナーと仲良しこよしできるわけが無い、できたら化け物だと思う。
「何寝ぼけてんだ、ここは皿の上だろ」
「そりゃ、見りゃわかるわ」
「じゃあ何が分からないんだよ」
「俺がウインナーと皿の上で会話してる事がだよ!!」
「お前、今日おかしくないか?卵」
「ん?卵?…」
いきなり卵と呼ばれ、思わず自分の体を確認する、足はない手はない頭もない……カラのついた白色の鶏の卵だ…
「えっ……え?た、たまご?嘘…卵なの?俺…」
「本当にどうしたお前本当に今日おかしいぞ」
「た、卵なの?」
「そうだよ(便乗)お前は卵だよ、卵以外のなんだって言うんだよ?」
卵以外?…そうだよ自分は卵じゃないなら本当は自分は何だったんだ?自分とはなんなんだ?卵なのか?
思い出せない、元々卵だったのか、別の何かだったのか…
というか、それって大事なのか?今、自分は卵だ、その事実しかわからない以上、自分は卵なんだ!
「そうか、そういう事か、わかったよウインナー君、俺は卵だ!」
「そうだ、お前は卵だよ」
「卵!!」
暫く自分が卵だという喜びを噛み締めていると俺達の頭上に手のようなものが出現した
「なっ、なんだあれは!」
「あれは人間だ!!」
逃げなきゃ、そう思い逃げようとしたが手に掴まれ割られ死んだ。
特になしあえて言うなら生卵