洗面器
初めての小説です。
温かい心で読んであげてください。
“ついにできたぞ!”
博士が声を上げた。
“本当ですか?博士!”
助手も思わず叫ぶ。
“ああ。”
博士が満足そうに頷いた。
“侵略する上で大切なのは、その星に溶け込むことだ、と私は考えている。”
博士は続ける。
“その星にあって、なんの不思議のないもの。その星の住人が日々の暮らしの中で、当たり前のように見るもの、使うものを利用するのだ。”
“だから我々は一足先に来て、この星の住人の生態を調査し、侵略に利用できる、我々にぴったりなものを探すよう命じられたんですよね。”
助手が言った。
“その通りだ。私は、我々の体に合うもの を見つけることができた。それを改造し、ようやく今、我々の星の軍隊を乗せる艦隊が完成したのだ。”
“ということは…‥”
博士が吠えた。
“侵略開始だ‼︎”
『速報です。東京の上空に、大量の 洗面器 が浮かんでいるのが確認されました。』