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妹? 21

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「やー、はッ! せやー!」


 甲高い、掛け声に目を覚ました俺は、目の前で揺れるモノがなんなのか時間をかけて把握する。二つの出っ張りがプルンプルンと、うん、おっぱいだ。


「ああ、ちょっと!? あー、負けたぁー」


 残機のなくなった大文字が悔しがりながらコントローラを置く。どうやら、イッテン堂から発売されてる”鷲掴み スマッシュブラジャーズ”をしていたようだ。大文字が脱落した後、残る秋穂と冬樹はお互いの残機を減らすべく、ゲーム内のキャラクターを激しくぶつけ合う。


「あ、お兄様、起きられたんですね。体調はよろしいでしょうか?」


 俺がテレビ画面を見ていると、それに気づいた大文字が声を掛けてくる。


「ああ、大丈夫。春香は?」


 俺がそう聞き返すと大文字は一瞬だけ驚いたような顔したがすぐに答えてくれた。


「春香さんならお兄様のお部屋で休まれてます。どうやらお兄様も春香さんも”タバスコデラックス”をお食べになってからお体の調子が優れなく倒れられてしまいましたので、私の付き人に対処させていただきました。お二人とも命には別条ないそうです。春香さんもそのうちお兄様のように起きられるでしょう」


 大文字はそう言うと急に涙目になり、しゃくるような声で続ける。


「ごめんなさい、お兄様。私が世間知らずなばかりにお兄様や春香さんがお倒れに……。普通の人が”タバスコデラックス”を食べればお体を崩されると知っていれば……」


 両目を閉じ、クシャクシャに顔を歪める彼女を見て思わず笑いが出る。そんな風に言われたらなんか怒れないじゃないか。俺が笑いを噛み殺していると大文字が「お兄様?」困惑した様子で声を掛けてくる。


「おりゃっ!」


 その掛け声とともに体をうつ伏せにして膝枕をしていた彼女の股に顔を向ける。


「ぶわっはっはっはっ!」


「ちょっとお兄様!?」


 俺が彼女の股に向けて吹き出すと彼女は驚きと戸惑いの入り混じった声を漏らす。


「ははは、これは罰だ。悪いと思っているならそのままじっとしてやがれ」


「ええ!?」


 俺がそう言って行為を続けると彼女はじっと動かず俺のセクハラに耐えた。これぐらいで良いかなと行為を止め仰向けに戻った俺は大文字に話しかける。


「これに懲りたら食べ物に異物混入は止めろよ」


「はい……」


 顔を真っ赤にして答えた彼女を見てよし反省したなと確信する。


「……お兄様は料理のできない女性は恋愛対象になりませんか? もしくは結婚できないとか……」


 大文字が深刻な表情でそう聞いてくる。


「ん? そうだなあ、料理ができないぐらいで嫌いになったりはしないが、結婚となるとなあ。一生食うものとなると美味しい方が良い」


「そうですか……」


 大文字は歯切れの悪い声を出す。


(これあれだろ、このイベントの後に手を絆創膏塗れにしたこいつが俺に美味しいご飯を作って俺が見直す奴だろ? おし記憶。某いちごパンツ漫画の料理下手ヒロインにお弁当作ってもらった主人公が上手になった料理を食べてヒロインが成長しているのに自分が成長できてないことに落ち込む甘酸っぱい青春を俺も体験して見せるわ。あ、でもこいつと甘酸っぱい青春できそうにないや。普通は美少女に膝枕されたらドキドキして少し居心地が悪くて、でも嬉しいみたいなピュアな感情があるはずなのに全くそんな感情が芽生えない。多分俺の頭上にある二つの肉塊を揉みしだいてもオッキしないよ)


 俺が巧妙な思考を繰り広げている余所で大文字が俺の頭を撫でてニコニコと俺の顔を見ていることに気づいた。その時、俺の脳裏に万民が思いつかない類まれなる行為が浮かび上がる。


 ”ガバッ”と勢いよく起き上がった俺は時計を確認する。急に起き上がったこと驚いた大文字が「きゃ」と小さく声を上げる。秋穂と冬樹も俺が起きたことに気づき「おはよう」と声を掛ける。


 が、今の俺にはそんなことはどうでもいい。今は時計の針が何時を指しているのかが最も重要なのだ。


「10時ジャストだと……」


 時計を確信した俺は外を見る。いつの間にか太陽は沈み月の光に包まれていた。


「暗ッ! 夜じゃん!」


 俺がそう言うと大文字が答える。


「はい、お兄様も春香さんもお疲れでしたのでぐっすりでした」


「ホント二人ともぐっすり。まあそのおかげで夕飯は四季さんの執事さんが作ってくれたけどねえ。すっごく美味しかった」


「今日はたくさんゲームで来たよ。いつもはお姉ちゃんに一日一時間って怒られるけど」


 大文字、秋穂、冬樹がどうでもいいことを言う。


「クソッ!」


 俺は春香の眠る俺の部屋へと急ぎ駆け出す。急げ俺! 急いで春香の下へ行き、春香の谷間に飛び込まなければ……。


「ガチャリ」


 しかし、俺がリビングを出て廊下を進んでいる時に玄関の扉が重々しく開く。





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