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目玉の中
ジヲマはこの脅威の塊をどうしても倒さなければならなかった。どうすれば止めを刺すことができるのかを考えていた。少しでも息をつくと、飛沫は容赦なくジヲマを傷つけた。
ジヲマは脅威の塊の、三つ目の目玉の中心部と思われるところを目がけ、飛び込んだ。箒を剣のように先に向け、ヨジマノナミダを輝かせ、シュシュを左の足先につかまらせていた。
目玉はジヲマを避けきれずに飲み込んだ。
塊の中は決して泥のようではなく粘り気も湿気もなく、澄んだ水のようだが暗い色であった。息苦しさを覚えることもなく、ジヲマはその中を泳いで行った。




