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シャボンの目玉
目玉の一部が分離した。黒い小さな玉ができて、浮かび上がった。それはシャボン玉のようであった。ふんわりと浮かび、光のあたり方で変色しているようだった。玉はジヲマの顔の目の前で止まった。
シュシュはジヲマの首に絡まったまま、牙を剥き、この黒い玉を威嚇した。
光り輝く玉の表面にはジヲマの顔が映っていた。
そして突然、この玉はとてつもないスピードでジヲマの顔に真っ直ぐに向かってきた。
もちろんジヲマは身をかわした。右の方へ首を傾げ、身体を半歩移動させた。左へ傾けられた箒の先の足元に、シュシュは身を置いた。




