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黒のマント
トネールの身体からは煌きがすっかり失われ、人間の女性のような美しい姿がそこにあった。恥じらいを知ってか知らずか、硬直して立ち尽くすトネールには成す術がなかった。他の四人の姉妹は唸り声を微かに上げるのがやっとだった。
そこへ天の上の方から黒い布が舞い降り、トネールの全身を包み込んだ。
ジヲマの肩にアランが留まった。
「お告げだよ、マントをくれてやるから煌きは返してやれと。」
表情を変えることなくジヲマは箒を一度トネールの方へ向け、自らの方へ振り直すと、黒いマントはその動きにしたがってジヲマの肩を覆った。アランは颯爽と身を交し、もう一度ジヲマの肩に留まり直した。シュシュはジヲマの足元で大人しくしていた。




