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フードルとの出会い
「僕に用はない?」
ジヲマが聞き直すとエクレールは俯いた。
突如として、ジヲマの背後で一際大きな音がした。ランブルランブルと腹の底に響く低い音だった。
「やっと来たね、ジヲマ。」
振り返ると、エクレールと同じような金色に全身が包まれた女性が立っていた。エクレールによく似ていたが、背も高く、がっちりした身体つきで、年齢も上に見えた。
「フードル。」
ジヲマがその名を呼ぶと、フードルは頷いた。ジヲマとの出会いを喜んでいるのか否か、その厳しい表情からは判断ができなかった。
シュシュは箒の柄の上で背中を丸め、全身の毛を逆立てたまま、警戒心を剥き出しにしていた。




