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テーブルの上
ロロが閉めずとも、扉は自然に閉じられた。そのときにバタンと音がした。ビクリとも驚くことのないロロだった。
恐らく天窓の外側のさらに高いところで、アランの甲高い鳴き声がまた聞こえた。
「クロアァ。」
閉められた扉の左手、扉が開くとちょうど死角になるところには、スツールにしては一回り大きいくらいの、背の高いコンソールテーブルが置いてあった。気品ある黒塗りのマホガニー、その机上には、ロロの背丈ではよく見えなかったが、毛むくじゃらの獣の手のようなものが天井へ向かって開かれ、鉤の形をした銀色の爪と、真ん中には鍵が置かれているらしかった。