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空飛ぶ黒豹

アランはその嘴の先を広げ、ロロを落とした。否、ヨジマノナミダが熱くて、それ以上は銜えていられないようだった。

ロロはさらに速度を上げて地上へとただ堕ちて行った。

ヤヤの雑巾など、すでに見当たらなかった。ネノもアランも、ましてヤヤも、急降下してゆくロロに追いつけはしなかった。

しかしロロは決して、何事をも恐れていなかった。

地面に衝突する寸でのところ、ロロに飛び向かってきたのはシュシュだった。猫の姿をしていながら、3メートル以上は飛んでいた。まるで空飛ぶ黒い豹であった。右側の前脚でヨジマノナミダを引っ掛けるように、天へ向かって放り投げるようにした。

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