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落下、そして昇天
ロロの真上からアランが急降下してきた。ロロは成すすべなく、呆然と立ち尽くしていた。ネノとヤヤも微動だにできなかった。
猛スピードで一直線に降りて来たアランはロロに衝突するところ、鋭い嘴でヨジマノナミダを加え、地上へと降下を続けた。すべての毛が逆立つような、強烈な速さだった。ロロはアランに身を任せた。ネノは慌ててロロを追った。ヤヤはしばらくその場に留まり、脅威の塊がゆっくりと天へ向かって移動してゆくのを見送った。脅威の塊は腹の底に響くような唸り声を上げて、ぐるんぐるんとダンゴムシが地面を転がって進んでゆくように、高みへさらに高みへと昇って行った。
ヤヤはその不気味な姿を目に焼き付けるように、留まって見送った。




