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上空でダンス
でもヤヤは嬉しそうにしていた。ロロの首にぶら下がる「ヨジマノナミダ」に気づいて。
「珍しいわね、アンタが箒に跨るなんて。」
向こうからやって来たのはネノだった。ネノは少し成長したようで、以前に会った時よりもふんわりと柔らかい雰囲気が身についていた。
「たまにはな。」
柄の上に立ち上がることはすでに諦めたヤヤは、高いところを飛んで行ったロロを見上げた。その後ろ姿をネノも認めた。
「ロロね。」
ヤヤは黙って頷いた、嬉しそうな顔をして。
「スゴイな、あいつ。」
ネノも笑顔を見せて、
「アンタよりも似合ってるわ、あの雑巾!」
「雑巾じゃない、空飛ぶ布だ。」
ネノは箒を縦に掲げ、上空でくるくると転回して見せた。




