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初飛行
白い月がとても大きく映っていた。輝きは冷たくも温かくも感じられた。
ロロは竹箒に跨って、窓から外へと飛んで行った。月を目がけて一直線に翔けて行った。
まるで初めてではないように、とても滑らかに空を横切った。
アランがほんの少し並んで飛んでくれたが、すぐにどこかへ行ってしまった。ロロの速度についてこれなかったのだろうか。
まだ真の闇に包まれてはいない、コバルトブルーの夜空。雲一つない無限に広がるコスモ。一番星が光を放つ前。輝く大きな白い月を背に、ロロは竹箒に跨って空を飛んでいた。




