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鏡の中のイア
ロロは目を覚ました。洗面所に行って顔を洗い鏡を見ると、自分の隣にもう一つの顔があった。
「おはよう、イア。」
「おはよう、ロロ。」
ロロが振り向くと、そこには誰もいなかった。
鏡に向き直ると、確かに自分の横にはイアがいた。
イアは、鏡の中でロロに重なった。ロロが右腕を上げると、イアは同じように左腕を上げた。ロロが腕を下げると、イアも同じように腕を下げた。ロロがほっぺたをつねるのに合わせて、イアも自らのほっぺたに合わせた。
どこかしら、イアは寂し気な眼差しをしていた。




