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穏やかな眠り
メムは手を伸ばし、あともう少しでロロのルビーに触れるかと言うところで、ルビーは強い赤い光を放った。光は四方、八方に放たれ、メムはまともに目を開けてはいられなかった。さらに、ルビーは熱も放った。壁にかけられたドライフラワーがジリリと音を立ててくすぶるほどに。メムはなんとかルビーに触れようとしたが、立っているのもやっとだった。ついには、天窓を抜けて飛び去って行った。
終始、ロロもシュシュも熱を感じている様子はなく、二人ともすやすやと眠っていた。平穏な眠りは闇に包まれた。