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始まった日常
ヨジマのベッドはどうしたってロロには大き過ぎた。よじ登るのにはスツールが必要で、毎朝ベッドから飛び降りなければならなかった。
朝は必ずアランが天窓から起こしてくれた。ステンドガラスを通して、陽射しは美しい色どりを部屋にもたらしてくれた。
ヨジマのサイドテーブルはやっぱり黒塗りのマホガニーで、背が高くって、そしてなんだかとっても分厚い古い本が置かれていて、これを読み進めるのがロロの日課になっていた。
その本に書いてある通りの身振りをロロがすると、扉や窓が開いたり、大きな箪笥が動いたり、部屋が一瞬できれいになったりした。