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誕生

ヨジマノナミダは天へと向かって赤い光を放った。

「お待ちしておりました、我らが魔王、オジュロ様。」

魔物たちの一番後ろから声を上げたのはテトだった。幼い声で、決して大きく叫ぶのではなかったが、その声は響き渡った。

以前もそうしたように、ファルケは牙を剥いて見せた。オジュロは左側の口角を少し上げ、苦笑いをしてみせたようであった。アランは一度は翼を広げたが、すぐに畳んだ。テトは見て見ぬ振りをしながらも深々とひれ伏し、ファルケを杖ごと地面に押し付けるようにした。

魔物たちはさらにひれ伏した。

ここに魔王オジュロが誕生したのであった。

この人の皮を被った猫めが。

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