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玉座の前には

アランはいつの間にか元の身体に戻り、玉座に腰かけるジヲマの右肩に留まった。そしてここぞとばかりに、一際甲高い雄叫びを上げた。

「クロアァーっ。」

玉座の前に立ちはだかる無数の魔物たちが、見覚えのある者も、そうでない者も、一斉に跪きひれ伏した。

ジヲマは箒の柄に取り付けられたヨジマノナミダを見つめていた。この宝石の中に一粒の黒を認めたのだ。それは表面についた汚れではなく、ヨジマノナミダが飲み込んだ黒い飛沫に他ならなかった。ジヲマは心した。これをこのまま閉じ込めておかねばと。

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