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最後の一歩
ジヲマは箒を剣のように構え、戦意の塊の中心と思われる方へ身構えた。
それがどこかと人に問われれば、答えられなかったであろう。
それでも、シュシュが行こうと指す先がジヲマには見えていた。
ここまでも、すべてはシュシュが導いてくれたのだった。
グルル、グルルルルと嫌な音は響く。腹の底に。四方八方に。
アランが風を送る、大きな翼を広く開き、強い風を。ジヲマのマントは翻り、雷が発生する。ヨジマノナミダはかつてない輝きを放ち、ジヲマとシュシュの青と黒の瞳からは閃光が放たれる。




