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88話目
「――――――……ハッ!?」
目覚める。ベッドの上だ。
……ベッドの、上だ。
「ハア!?」
武谷は!? ……座っていた床は綺麗に片付いている。窓の外は明るい。武谷が来たのは夕方くらいだったから……。
「つ、次の日ぃ……?」
なんだそれ。にしても、何が起きたんだ。いきなり頭痛が来たと思ったら、意識飛んで……。
まさかあのあと、若杉由布に変わっちゃったのか?
「嘘だろ……」
まずい。これは非常にまずい。冷や汗を垂らしながら、おそるおそる日記に手を伸ばす。若杉からの怒りのメッセージがびっしりと……
「あれ?」
予想に反して、そこにはなにも書かれていなかった。白紙のページが、広がっているだけ。
「……」
俺はなんだか、急に背筋が冷たくなるのを感じた。白紙、……。てっきり、俺に対する罵詈雑言がびっしりとかかれているのかと思ったのに……。というか、今回はプライベートなことを話してしまったから、かかれてもしょうがないと、思っていたのに。
なにも書かれていない、って。
「……逆にこええ……」
なに考えてるんだろう、若杉由布。




