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78話目
ハッ――――と、覚醒する。朝日が差し込んでいる。ベッドの上に、俺は居た。
しばらくぱちくりと目を瞬かせる。鈍痛が、体を襲う。その痛みで、ゆっくりと思考が戻ってきた。
「ッ……」
―――そうだ、昨日。俺はあのあと、寝てしまっていたのか。……じゃ、あ若杉由布が……出てきた?
ぶわっと冷や汗が飛び出す。どうなったんだ。武谷は、父親は。解決した、のか。
体への痛みが、その答えを示しているようだった。
「クッ……」
なんだよ、畜生。
なにが起こったのかは全然分からない。ただ、体が痛いってことは、きっとまた殴られたんだろうと……そう、容易に予想できてしまった。重い体を引きずって、日記を開く。そこには、一言だけ。
『家族のことには、干渉しないでくれ』
「……ごめん」
それは、ちょっと。守れそうにない。




