表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/120

58話目

 ……いつも以上に、変な夢だった。

 頭を押さえながら起き上がる。なんだよ、空が綺麗って。そんな空眺め続けていたって。映画のラストシーンみたい……というか、気障すぎる。若杉由布、こんな時代があったのか。なんだか不思議な気分だ。

 よし、と気合を入れて立ち上がる。今日の夢のことは、取りあえず置いておこう。日記を取り出して、開く。若杉由布からの日記が書かれていた。


『砂場……? んなの、覚えてねえよ。

兄妹が羨ましいとか馬鹿かよ。うざいだけだぜ、あんなの。兄弟なんて、嫌なだけだ。俺はお前の方が羨ましいよ。アイツらにどれだけ苦労を掛けられたことか。

外には出ない。何度も言ってると思うがな。』


「……外、そんなに悪くないと思うんだけどなぁ……」


 そんなに頑なに言わなくても、と俺は思う。武谷みたいないい奴もいるし、行けばいいと思うんだけどなあ。

 兄妹はやっぱり羨ましい。どうしてそんなに嫌がるんだよ、と思わずにはいられない。


「苦労を掛けられた、か……」


 やっぱり、なにかあったのだろうか。この兄妹。あの夢じゃ平和そうで、若杉由布も兄妹を尊敬してたみたいだったけど。昨日の兄の様子を見るに、悪い人じゃないんだろうが……。どっちにしても、両方とも第一印象は悪いな。というか、怖い。あの妹……若杉由布にとっての姉……えっと、裕美でいいや、も最初とても怖かったし。あ、そういえばなんで学校に来たのか怒っていた理由は定かじゃない。まだ、たくさんの謎が残っている。

 若杉由布の家族関係を整理してみよう。姉と、兄と、母と父。父親は俺が学校に行くことを望んでいて、母親は何を考えているのか分からない。姉は、学校に来ないことを望んでいる……ん、だよな。兄は……ますます分からない。姉のことを気にしているのは確かだと思うけれど。この前のことが思い返される。……よかった、って言ってたしなあ……。でも、俺に安否を聞いたってことは、しばらく会えてないのだろうか。連絡も……とれて、ないんだよなあ……?

 改めて疑問がわき起こる。

 いったいどうして、あんなにも仲良さ気だった家族は、こうなってしまったのだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ