40話目
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無理、無理。若杉由布はなんであんなのと知り合いなんだ。俺は大袈裟にため息をついた。
……折角、友達になれそうだったのにな……。
流石にあんな騒ぎを起こしてる人と、関わりたくないだろう。そう思うと、どんどん気分が沈んでいった。
にしても、あの女の人は結局誰なんだ?
下の名前呼び、ということは親しい人。ここまでは考えた。なら、なんで若杉由布が学校にくることを拒んでいたのだろうか……。なんか、因縁でもある人なのか? ……あまり関わりたくない人種だとは思うが。
「ったく……若杉由布……そういうのは事前に話しといてくれよぉ……」
思わず情けない声が出た。ほんと、なんなんだよコイツ。なんでこんな可愛い女の子を、事前に俺に言っとかないんだ。……というか、こういう問題起こしそうな奴は事前に言ってくれるもんじゃないのか?
そうしてトイレの個室でうんうんうなっていると、授業が始まる3分前のチャイムが鳴った。
「……あ」
これ、戻らないと……駄目、だよなぁ。
俺はしぶしぶ立ち上がった。おそるおそる個室から出るが、どうやら誰もいないようだった。そこにほっと息をつく。
そそくさと俺はトイレを後にする。そして、教室にこっそり入る。幸い授業前でざわざわしているからか、俺に気付くものはいなかった。……武谷に、謝った方がいいのかな。話そうと思って武谷の席を見たら、武谷はすっかり眠りの世界へ入っていた。謝らなくていいな、これは。そして教室を見渡して、俺はそっと息をついた。今度は安堵の息である。
……あの女の人は、去ったみたいだ。
出来ればもう、関わりたくないという思いが胸の中で蠢いた。




