4話目
七夕ですね。作者の今年の願い事は「お金を下さい」です。どうでもいい。
そこには、廊下が広がっていた。
茶色いフローリングの床。掃除されているのか、埃は積もっていない。
両端に部屋が一つずつ、そして前には階段があった。
……やはり、ここは誰かの家なのだろうか。広さ的に、一軒家だろうと予想できる。
はあ、と落ち着かせるためため息をつく。少し、疲れた。このまま進むべきだろうか。そして、探検してみるべきだろうか。それとも部屋に戻って休憩するべきだろうか……。
少し迷って、俺は決めた。
あとちょっとだけ探索して、そしたら部屋に戻ろう。そして寝よう。
ちょっとだけ迷って、右手側の扉を開ける。さっきよりは躊躇いなく開ける事ができた。
するとそこには、人が居た。服を折りたたんでる女の人。年は、40くらいだろうか。突然扉を開けた俺の方を不思議そうに見ている。
「どうしたの? そんなに慌てて」
女の人は知人に声を掛ける気軽さで俺に声を掛けた。これは一体……? どういう、ことだ?
俺は彼女に、会った記憶はない。それは確かだ。流石に数少ない知人は忘れない。ならば、なぜ驚かないで声を掛けた?
考えられるのは、きっとこの顔の知り合い、ということだ。彼女が。
もし、この顔=さっきの部屋の主、ならば彼女はこの顔の母親だろうか。年齢的に考えて、それが一番妥当だ。
黙りこくっている俺の方を不思議そうな顔で見ている彼女に、俺は笑って返した。取りあえず、この場は誤魔化そう。
「なんでもない」
そのまま扉を閉めて、さっきの部屋まで戻る。
「ふう……」
ベッドに倒れこみ、目を瞑った。もう訳が分からない。それならば、寝よう。細かいことは明日考えよう。俺はどうすればいいのか分からない。
「おや、すみ」
誰かに呟いて、俺はそのまま眠り始めた。すべて、めんどくさい。