34話目
学校にいるよ…!(感動)
俺の席は、窓際の一番後ろだった。窓から風が流れ込んできて、今の時期は結構心地がいい。……まあ、カーテン閉めないと暑いけども。
二年A組は、どうやら仲の良いクラスのようだった。突然学校に来た俺にも優しく接してくれるし、話しかけてくれる。いい奴が多い。……俺の学生時代もこんないいクラスだったらなあ……。まあそれはともかく。若杉由布は、このいいクラスにはじめて来たらしい。つまり、これが初対面なのだ。なので、俺が若杉由布ではないとバレる心配はしなくていい。それは楽だった。若杉由布になりきれとか、優しい俺には苦痛でしかないからな。
教室に入って来た教師が俺を見て、一瞬ぎょっとするが、すぐに平静に戻った。初老の男性教師だった。A組の人は、結構懐いているみたいだ。
「ニーせんせー、若杉君学校来たよー!」
「あたしたちの努力のかいがあったってもんだね!」
「はいあはい。見りゃ分かる」
二ー先生、は多分あだ名だろう。本名がなんというのかは、見当もつかない。ニーってなんだニーって。てか、努力って……なんか、してくれていたのだろうか。それは、嬉しいな。話し方とか、優しそうで、でも少しお茶目で、悪い先生はなさそうだ。俺はそっと息をつく。ちょっと、心配してたのだ。クラスに馴染めてないんじゃないかとか、そんなことを。よく考えてみたら、一度も出てないクラスに馴染むもクソもあるはずない。これから馴染んでいけば、いいのだ。
頑張れよ、若杉由布。心の中でそっと、呼びかけた。




