31話目
季節外れ、だな……。やっと話が進み始めた。
『じゃあまあ、色々教えてくれよ。クラスとか。お前の情報をさ』
『……若杉由布。高校二年。A組、37番。
席は……しばらく行ってないから分からん。他も、よく分からん
まあ、頑張れよ。よろしく頼む』
「はあ……」
なんだよそれ、そっけなさすぎるだろ。
ちらりとカレンダーを見る。今日は日曜日だった。
「明日、か……」
学校生活。正直俺には荷が重すぎる気がする。胃が、きりきりと痛んできたのが分かる。うう……。親にも、兄にもばれないように、明日ははやくいかないといけない。大丈夫かな、できるかな……。駄目だ、なんだか心がどんどん沈んでいく……。
そんなこんなで、次の朝となった。
『頑張れよ』
『……頑張ってくるよ』
日記を取りあえず書き、俺はこわごわと、制服に手を通した。
「う、わ……」
なんでまた、この年になって制服着なくちゃいけないんだろう……。胸元にワンポイントがあしらわれた少しお洒落な制服。まあ、それなりに似合っている……のだろう。若杉由布の体だし、取りあえずおっさんが着るよりはマシだ。
「……よし」
気合を入れて、俺は進み始めた。
朝早いから、まだ下には誰も居ない。足音を立てないように、階段を歩く。忍び足で、やっと玄関までたどり着いた。
「い、いってきまーす……」
どうしても癖が抜けず、いってきますの挨拶はした。弁当は途中のコンビニで購入しろとの通達だ。財布にいくらか金が入っていた。おこづかいか、可愛いな。
外に出ると、思わず目がくらんだ。光が、眩しくて。
久々の、外だった。
青空と、太陽。それは確かに、頭上にあった。
「お、おお……」
謎の感動を覚えながら、俺はリュックを背負って歩きはじめる。学校へ、行かねばな。




