21話目
目が覚める。ぼんやりとした頭で立ち上がり、日記を開く。そして……固まった。
その後ごろごろと転がる。
「ふ、ふほおおおおおおお!!???」
思わず声が出た。え……ええ……。
日記には、こう書かれていた。
『……あの絵、お前が書いたのか?
俺、絵の事は全然わかんないけど……すげえと思った。
もしよければ、また絵を見せてくれ』
……照れた。
え、なに、なに? 褒められてる? 褒められてるの、俺?
う、うわああああああああああああ!?
「すげえ、と、思った……?」
すげえって、なによ。
なんだか、とても恥ずかしい。そうか、若杉由布はこういう気持ちだったのか。
昔から、褒められることは大好きだった。……それが原因で、絵を描くことをやめちゃったわけなんだけど。
自分の得意分野で、あの、あの若杉由布に。褒められた。認め、られた。
「う、わあ……」
必死でにやけてくる顔を抑える。なんだそれ、なんだそれ!
……嬉しいに、決まってるだろ……!
俺は早速ベッドの下から、昨日のノートを取り出した。そして、また紙にペンを滑らせる。
もっと、もっと、上手い絵を。綺麗な絵を。失望させないように、すごい、絵を。書かなくちゃ。書かなければ。
だって、俺にはそれしかないんだから。
『絵、褒めてくれてありがとう。すごい嬉しいです……!
あと、俺の絵は見ていいからさ、お願いだから君の物語も読ませてくれない?
本当に、面白いと思ったんだ。好きなんだよ。
だから、お願いします。』




