19話目
ねむいです。
『お前読んだのか死ね』
……なんともまあ物騒なことだ。
なんだよー、まあ勝手に見たのは謝るけど……面白かったじゃんよー。感想伝える位いいじゃないか……。そんなに短気だと将来禿るぞ。
赤の×マークは昨日見たときから一つ進んでいる。どうやら今日は一日で交替したらしい。よろしい! 健康なことで!
でもまあ、やっぱり学校には行ってないのだろうと予想。何も言われてないしね。引きこもりかあ……あの優しそうなお母さんが心を痛めてるのはなんだか悲しいなあ。だって、あの人は悪い人に見えないんだもん……。まあ、一回会っただけだけど。
よし、今日は何しよう。
……うん、やることがない。
外に出るのは嫌だし、……勘だけど。それから、家の中はもう見て回った。ならば、本当に何をしよう。
迷ったが、どうせ暇だし、もう一度あの話を読みたいと思った。細かい所、整理したいし。
ベッドの下を覗き込んで青い大学ノートを探す。昨日置いてあった所に戻しておいたから、あるはずだ。
……筈だ。
「あれぇ!?」
思わず声が出る。なんか、声を出すのはすごく久々だった。ってそれどころじゃない!
ない!
あの本が、ない……。
「ええ……」
しばらく呆然とする。
どこいった……? というか、日記の内容からして若杉由布が隠したに決まっているのだけど。
くそ……もう一回読みたかったのにな……。
となると、やはり暇になる。探すという手段もあったがそれはなかなか難しい。なんていったって、ここは若杉由布の部屋なのだから。俺が探し出せる気がしない。
では、何をしよう。
……ベッドの下をまた覗き込んだ。ノート、その中でも何も書かれていないものを探す。勝手に使っていいものか分からなかったが、この際目を瞑って欲しい。退屈には誰もかなわないよ。
鉛筆を発見して、そして……息を、吸った。
久々に、遊ぼうか。紙の上で。




