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18話目

まだ・・・まだ・・・終わらない筈だ・・・!夏休みは・・・!

 これは、きっと俺が触れちゃならないものだ。

 多分、プレイベートな所……俺だったら、触れられたら多分ブチ切れる。あの怖い若杉由布なら、多分もっとキレるだろう。

 ……ノートには、物語が綴られていた。

 ファンタジー。冒険もの。一文字一文字丁寧な字で書かれていて、想いを込めて書かれていることが分かった。

 ノートの一番新しく書かれたところは、最近日記で見た筆跡と酷似していた。つまり、最近まで書かれているという事だ。

 物語。ずっと一人で、これを書いていたのだろうか。

 プレイベート。触れちゃいけない所。……だがしかし、好奇心がうずくのもまた確か。ほんのちょろっとしか読んでない。もっと丁寧に、ちゃんと……読みたい、ものだ。でもなあ……。…………。

 まあ、体は同じなんだし。

 誘惑にころっと負けた俺は、ノートを開いて物語を読み始める。主人公が旅立つところから、物語は始まった。


 パタン、とノートを閉じた。窓の外には夕焼け空が広がっている。それまで、夢中になって読めたのだ。


 おもしろい。


 単純に。ストーリーとしてシンプルだからこそ、なのかもしれないが。とにかく、面白い。子供心を擽られた。それに、何というか全体的な流れが……俺の好みどんぴしゃだった。面白い。すっげえ続きが気になる。

 はじめて、この体になって良かったと思えた。こんな面白い話が読めたんだから。

 もしかしたら神様は俺にこの話を読ませるためこの体に宿らせたんじゃないか、なんていうばかげた想像さえできる。だって、ほんとに面白かったのだ。ゲームみたい。もしこういうのが商品化されたら、俺は間違いなく買うだろう。

 何というか、作者自身も楽しんで書いているのだろ言うのが、伝わってくる。キャラの一人一人がきちんと愛されていて、まるで本当に実在している人物のように感じられた。どこか、この世界のどこかで。こいつらは生きてるんじゃないかとか、そんなバカな妄想を抱くくらいに。

 信頼していた仲間の一人が裏切った所で、物語は途切れていた。おそらく、ここから継ぎ足していくのだろう。ノートの残りはまだあったし。続きが気になる。ものすごく気になる。

 にしても、若杉由布って、すごい。

 生意気な奴かと思ったけど、こんな話も書けるのか。しかも、こんな長編小説を。


「すげえな……」


 俺には到底、マネできない行為だ。そもそもこんなに長く文章を書くという体験さえあまりないのだから。物語なんて、書いたことも無い。0から創り出すなんて、若杉由布は神様みたいだ。

 てか、よく分かんないけど小説化って神様だよな。だって、その小説を作り出す……っていうか、世界を創りだすんだもん。すごい。すごい。俺は0からの発案なんてできそうにもない。


「……続き、読みたい、な」


 ぼそっと呟く。そして俺は、作者にそのことを伝えた。案の定、日記で。


『ベッドの下の小説読みました!!超面白かったです!!

 続きください!!』


 興奮したまま文字を書くと、少し日記は短くなってしまった。けどまあ、いっか。


 俺はいい気分のまま眠りについた。

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