17話目
嫌だ・・・私の夏休みは永遠に続くんだ・・・そうだ・・・そうさ・・・!!!
にしても、コイツほんとに学生なんだな。
教科書をぺらぺらめくりながら、思う。引きこもりだけど、若杉由布は学生なのか。いいなあ。今のうちに青春しとくべきだよ、少年。大人になってからだったら多分もう無理なんだから。
教科書には訳の分からない暗号のような文章が並んでいる。すごいな、こんなん勉強するのか。俺にはもう無理だ。学生の頃は、どうやって暗記してたんだっけ。それとも、これが特別難しいだけかな。……ああいう親って、無理にエリートコース進ませそう。押し付けそう。すみません、偏見です。
まあ、俺はそんな成績良くなかったしなー。昔とった杵柄もねえし、アイツの代わりに学校行くとか、無理だわな。そんなことになるとも思ってねえけど。
でも、ほんとによく分かんねえけど。大変だなあ、コイツも。こんなめんどい勉強するなんて。不登校になっても、おかしくないのかもしれない。それじゃあまともに就職できないから、頑張った方がいいとは思うけどよ。
ああ、なんか。疲れた。あんまり眠くはない。頑張れば眠れそうだけど。もっとなんかしてから眠りたいなあ。教科書……勉強? 嫌だなあ。俺、この年で勉強とかしたくねえ……。勉強しないで大きくなりたいです。まる。
……てか、この体。この体だから勉強が分かるようになっている……訳では、ないのだろう。というか、記憶の共有はされてないんだからそれも当然か? けど、脳……は、同じなんだよな? どうなってるんだ、こういうの。よく分かんねえ。脳が同じなら、そういうのも同じになるんじゃねえのかな……。てか、脳が同じっていう保証は? 訳分かんねえなあ。
うん、俺には無理だ。こういう考え事は向かない。人には向き不向きってものがあるだろう。こういう考えごとはきっと、俺には向かないのだ。
というか、今日は何しよう。暇で暇で堪らない。なんか、やることは無いかと、もう一度ベッドの下にもぐってやることを探した。ここ、やっぱ埃くさい。
するとまあ、見つかった遊べそうなものはノートと鉛筆だった。なんだよ、このアナログ具合。コンピュータとかテレビとか導入してくれりゃあ、俺も暇じゃなくて済むのに! 第一、ノートと鉛筆って……ノートを開くと、難しそうな数式やらが並んでいる。若杉由布の筆跡だった。
「……うえ、普通に勉強するとか気持ちわるぅ……」
呟く。けどこんなにぎっしり書かれていると、他の事書くのなんか悪い……。ま、いいか。よしじゃあ落書きでもしようか?
と、もう一冊ノートが落ちているのを発見した。恐らくどっかで落ちてしまったのだろう。
青い大学ノート。そういや、日記も青だったっけ。あまり埃をかぶっているようには見えなかった。頻繁に、使われてる……って、ことか?
開いて、そして……閉じた。




