16話目
夏休みがもうおわりそうでつらい
目が覚めた。
身を起こそうとして、体の痛みに気付く。
「ッ……」
思わず声が漏れる。ズキン、と身体が痛む。怪我をしたのだろうか。どこが痛いのか分からず、ちょっとの間痛みの発信源を辿った。頬だった。腫れている。……平手打ち、とか?
日記を見た。日記には、こう書いてある。
『だから勝手に動き回んなっつってんだろ。てめえふざけんなよ。俺のからだなんだから、言う事聞けよ。
暇なときなんてねえよ。ずっと忙しい。考え事だ。
傷に関しては言う通りだ。お前には関係ない。だから口出すな。
俺の人生だ、俺がどんな風に生きようと勝手だろ?
おまえには、関係ない。
やることなんて自分で考えろ』
おわり。
……なんだろう、この見放されてる感。いやもう慣れたけど。
カレンダーには、俺が×をつけた所の先に、新たに×が二つ追加されていた。今日は土曜日。
……ん!? 二つ!?
二つってことは……
「そんだけ寝てない、のか……?」
そりゃ眠くもなる筈だ。俺は結構さっさと寝る事ができるのは、コイツが寝てないからか。
……なんだよ、それ。そんなに俺に代わるのが嫌なのか? まあ、誰だって人格を乗っ取られたりはされたくないだろうがよ。ちゃんと、寝ろよ。
それに、忙しいって……。なに、してるんだ? ほんとに。隠されると、ますます気になる。
大体、ほんとにこの部屋で何ができるんだ? すごく、殺風景な部屋だ。何も無いに等しいし。ここで何をしようにも、できないだろ……。
だって、箪笥と机くらいしかないのだ。机の中には鏡……あ、俺が割っちゃったんだった、と刃物? とかしかないし。あと、鉛筆とかも入ってる……よな? てか、教科書とかはどこに……。あと、エロ本。どこにあんだよ。
……ベッドの下か。
いや、流石にそんなありがちな場所には隠さないか? でもなあ……ベッドの下くらいしか、探して無い所ないだろ。
こそ、と手を入れると何かが当たる。お、当たり?
引っ張り出すと、出てきたのはほこりまみれの教科書。
……まあ予想はしてたけど、さ。
「くそぅ!」
もう一度リベンジ。ベッドの下に這いつくばって色々なものを探してる姿。なんだかすごく滑稽だと思うが、気になるのだ。
何回目かのチャレンジで、ようやくエロ本を見つけ出した。よっしゃ。でも残念ながら俺好みじゃなかった。残念。




