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14話目

さっさと学校に行かせたいです。

 久々にこんなに長く歩いた気がする。ずっと、小さくしか歩いてこなかったから。

 階段は歩くたび、小さく音を立てた。大丈夫か? この階段。落ちてきたり、しないよな。心配になる。引き返すなら今だ、と思うが、眠れるような状態ではない。どうせ暇なのだ。退屈は猫をも殺す。

 やっと下へと降り立つ。やはり、2階建てで間違いないようだ。階段はここで終わっていた。

 さて、とあたりを見回す。リビングらしい所、横にあるのはトイレと……洗面所。どうやら一緒になっているタイプらしい。なんだそれ。ホテルみたいだな。

 リビングを恐る恐る覗くが、誰も居ない。どうやら、今家には誰もいないらしい。……まあ、あの兄がいるかもしれないが。

 リビングは案外広かった。庭に続く大きな窓と、お洒落な装飾が施されている扉……両方とも、外に繋がっているのだろう。流石に外に出るのはまずいな。

 あと、リビングの隣くらいに台所もある。冷蔵庫とか並んでいて、普通の場所だ。

 ……これで、全部回ったことになる、か?

 本当に普通の一軒家だった。俺の住んでた家と大して変わらない。俺は基本的にあの部屋から出ないから、食事などは若杉由布君の方がしてくれているのだろう。若しくは、引きこもっていて運ばれてくる敵な仕組みなのかも。……なんか、贅沢だな。

 にしても、暇だ。若杉由布は、何をしているんだ? 階段をのぼりながら考えた。……本当に、何をしているのだろう。あの、ネットも携帯も無い部屋で。暇潰し用具といえば――――あの、凶器たち? あれでずっと、自傷しているとか? それ、大分やばい人だ。体に痛みはあまり、感じな――――。少し怖くなって、袖をまくり、己の手首を見る。線が入っていた。赤い線が。


「……」


 俺は無言で袖を戻した。

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