13話目
わーい、今日は姉のたんじょうびー(どうでもいい)
下の階……いや、大したことではないけれど。何となく、降りるのには抵抗があった。
階段を使うという事が少し怖いのかもしれない。……それに、またあのこわぁーい兄や父に遭遇したらどうしようという恐れもあった。
……でもまあ、このままじゃ暇だし。何も変わらないし。
「……いくかっ」
気合を入れて、立ち上がる。ドアを開けようとするとその重みにびくりと手が震えた。……臆病だな、ほんと俺。
もう一度気合を入れ、ドアを開ける。大丈夫だ、きっと。
階段が目の前に広がっている。下の方を覗き込んでも、部屋があるだけだ。
「……行く、か」
俺の予想では、おそらく二階には俺の部屋、兄の部屋、母の部屋があると予想できる。……あれ、父の部屋は? もしかしたら、下にあるのかもしれない。寝室は各自の部屋の中なのだろう。あれ、ほんとに父親はどこで寝ているんだ?
少し怖くなって、そっと母の部屋――……と、思われる場所を開けてみる。中には誰もいなかった。ドアを開け放つと、ベットが二つ。そして、ベランダに繋がっているのが見えた。洗濯物が揺れている。なるほど、あそこで洗濯物を干すのか。
ベッドが二つ、ということは、ここは父と母共有の部屋である可能性が高い。そう俺は予想する。それからまたドアを閉めた。
さて、今度こそ。
俺はゆっくりと覚悟を決め、階段へと踏み出した。




