表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/120

102話目

 どうしてこんな気持ちになるのか、自分でもわからない。ただただ、しにたいと思う。どうしようもなくこの世は無情で、生きていたって仕方がないと感じる。これから先、ずっと希望のない感情が回る気がする。だから、だから、もう……。

 気付くと引出しを開いていた。カッターが入っていた。あの、血がついた刃物がたくさん入った段だった。

 違う、ちがうんだ、こんなこと、したい訳じゃ、なくって……。

 いつの間にかカッターを握っていた。手首が焼けるみたいに熱い。カッターの先端に血がついていた。でも、死ぬほどの量じゃない。本当にちょびっとの血。死ぬ勇気もないのかよとなんだか無性に笑えてきた。意気地なしだ。どうしようもない野郎だ。……本当に。

 はあ、と息をついた。傷跡を、増やしてしまった。もうするなって、言ってたのは俺だったのになあ。これ、若杉由布の体なのに。ごめん、と呟いた。若杉由布にはほんと、迷惑かけっぱなしだ。死んでからも尚迷惑をかける。最低だよ、生きてる価値、ないのに。なんで。

 ああ、駄目だ、だめだ。気分がどんどん重くなっていく。どうすればいいのかわからない。なにをすればいいのかわからないまま、どんどん落ち込んでいってしまう。こういう時は、どうしてもだめなのだ。なにをしても。

 ああ、もう。こういう時は、寝よう。寝てしまおう。

 手首から流れる血もそのままに、ベッドに潜り込む。おやすみと返事のない一言を呟いて、眠りにつく。そういえば、今日も日記を書いていないとぼんやり思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ