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101話目

 ハッと覚醒する。どうやら、寝てしまっていたらしい。

 辺りを見渡して、少し首を傾げた。俺は、ベッドの上にいた。いったいどうして、と少し考えて、すぐ答えに辿り着いた。若杉由布が、ここで寝たからだ。居眠りでも一度眠ってしまえば、若杉由布に体は変わってしまうのだから。まったく不便な体だと、久々に思い返した。

 懐かしい夢を見た。懐かしい、といっても一年前くらいのことだけれど。


「……」


 一年。短い時間だ。けれど、色々なことがあった。そして、俺は死を決意した。約束を守ろうともせずに。いや、思い返しもしなかった。


「……」


 俯く。心に暗雲が立ち込める。嫌な気分だ。まるで、責められてるみたいに感じる。誰にって、もちろん自分なんだけど。自分に責められるなんて、自意識過剰で、バカな話だ。

 ……当分、顔をあげられそうにない。約束を詳しく思い出してしまったからなのかもしれない。自分のクズ具合を再認識したからなのかも。やっぱり俺は、自分のことが大嫌いだ。憎いっていっても、過言じゃない。ほんとう、息をするのだって、つらい。死にたいと考える。最近感じなかった息苦しさだった。そうやって思ってしまう自分が一番嫌いで、憎いのに。


「……なんで」


 なんで、俺、生きてるんだろう。

 そんな感情に襲われた。それが、ずっと続いた。だから、終わらせようと、したのに。いや、終わった、はずなのに。なんで、どうして、まだ続いてるんだ。どうしてこの地獄は終わらないんだよ。辛くて、辛くってたまらないのに。

 終らせたかったんだよ、俺。逃げたかったんだ。

 あの子に相談されていいほど立派な大人じゃなかった。約束を交わすべきじゃなかった。焼け付くような後悔に襲われる。どうしてこんな気持ちになるのか、わからない。ただ、自分の言った言葉がぐさぐさと刺さってくるのだ。一言一言が胸を抉るのだ。

 はっきりしない感情に襲われて、ただただ、死にたいという具体性のある言葉が、何度も俺の胸を突き刺した。こんな感情のまんまいるなら、きっと死んだ方がマシだ。その方が、世間のためにもなる気がする。でも、でも。だけれども。そんな逆説を唱える自分が居た。そんな自分も大嫌い。

 ぼんやりとした気分で、ただ、思った。


 彼女の名前はなんといったっけ。

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