100話目
よくここまで続いてるな…完結の兆しがみられない…
100話おめでとう(自画自賛)
結局時間というものはあっという間で、お別れの時間がやってきた。僕の新幹線のチケットの時間。これをずらしたら、仕事に遅れてしまうっていう、結構ぎりぎりの時間。もっと余裕のある時間にしても良かったけれど、そうしなかったは……まあ、お察しだ。
俺は今、新幹線の中にいる。女の子とのお別れを、済ませたあとだ。
絵は完成しなかった。正直、完成させる気も、別になかった。それを言うと、女の子に怒られてしまいそうだけど。やっぱり俺は、絵の楽しみというのは、自分で完成させることにあるんじゃ……あるかなあ。そもそも、絵を楽しみたいと思ってない人にそんなこと言うのは、押し付けというやつだ。でも、俺は、彼女は……彼女が、宿題だからという理由だけで、絵を描いていない気がした。
「……完成、させてくれても、良かったのに」
彼女の声がよみがえる。心地いい電車の振動なのに、眠気はちっともやってこなかった。
「う、ん……まあ、見たいし」
「なにを?」
「君が完成させたその絵をだよ」
「ってことは、また来るのね?」
「まあ……里帰りくらい、いくらでも」
「いつ? 冬休み?」
「いや、正月は結構忙しくて……まあ、また来年、かなあ」
「そう」
女の子はクールそうに相槌を打ったが、ちょっぴり頬が赤い。懐いてくれているのだろうか。そうだったら、嬉しいなあ。
「また来年、絶対、来るから」
「……待ってるわ。お盆に、ここでね。約束だから」
そう言って、女の子はにこっと笑った。つられて、僕もにっこり笑う。なんともいえない、和やかな雰囲気が広がった。
「……わたし」
「?」
「私の名前、知りたい?」
「……いや、別に」
「そう。私の、名前は………………」
なんだったっけ、彼女の名前。頭がぼんやりとしている。少しの間だったけど、とても楽しくて……彼女の名前を忘れたくないと……そうだ、完成した絵を見なくっちゃ……約束を……果たさなくちゃ……彼女と……女の子と……名前……ええと…………




