魔法
2話目です…文章力がほしいです
「はぁぁぁ。何でこの服なんだろ。ワンピースじゃない年もあるのに…。なんかおじいちゃんの悪意を感じるな。」
というか何で私が天使役…。
ルーはワンピースのレースをいじりながらふわふわと飛び続ける。
空を飛ぶ魔法はルーしか使えないので誰かに会う心配もない。
…今更だけどこの魔法みんな使えなくてよかった…。
なんでか知らないが、物心つく前から使っていたというこの魔法にはかなりお世話になっている。飛べるっていうのは本当に便利だと最近は心から思う。
…そのせいでおじいちゃんからいろいろ『雑用』を押し付けられるのは勘弁してほしいけど。
そして不思議なことにこの魔法はたくさん使っても全然疲れない。
攻撃に使えるような魔法やみんなが普通という魔法を使うのはとても疲れるんだけど…不思議だ。
「ってあれ?」
そんなことをつらつらと考えていると下から爆音?みたいなのが聞こえてくる。
首をかしげながらルーは下に小さく見える街のある一画に視線を落とした。
火、水、雷、植物…
それぞれの魔法が何やらすごい勢いでぶつかっている。どうやら集団で魔法の小競り合いが行われているみたいだ。
「ふむ。あれじゃあどっちもけがしそうだけど大丈夫かな?」
いつも割と頻繁に起こる小競り合い。普段は学校の先生とかそこらへんの大人がやってきて止めるのだが今日はお祭りの準備とかでみんな海の方に行っている。
山の近くであるその場所にはほとんど、というか小競り合っている連中以外人はいなかった。
…ということは、どちらかが戦闘不能になるまでやるわけで。
普段はほっとくんだけど、今日は5年に一回のお祭りの日。
そんな日に怪我人とかがでるのはどうなのかなぁって思う。
でも、私も変に目立つのも嫌だし。間に入ったってうまく仲裁できるともかぎらないし。
「うむむむむむ…。」
一人でうなっていると、
ドカン、と何やら爆発音。
もくもく上がる煙。
…。
い、いやでも止める義理なんてないよね、うん。
一瞬どうにかしなくてはと思った自分をどっかになげとばして、見なかったことにしようと方向を変えようとしたその時。
「…だ、だれかっ…。」
ルーの耳にか細い悲鳴みたいなものが届いてきた。
「え、ちょ、まさか!?」
ルーが慌てて視線を戻すと6歳くらいの小さな男の子と女の子が何の間違いか紛れ込んでいる。
しかもいるのは小競り合いしている連中の死角。
連中には立ち込める煙で見えてないがあのままじゃ確実に攻撃魔法の巻き添えを食らってしまうだろう。
…。
ああ、もうっ…!!
ルーは急いで高度を落とし始めた。
「ひっく、ひぐ、ふぇ」
「だいじょうぶ。ぼくがちゃんとまもるよ。」
女の子は泣くのを必死にこらえながら目をぎゅっとつぶって男の子にしがみついている。そして男の子は震えながらも女の子を抱きしめていた。
「もう大丈夫。私がどうにかするから。」
そしてルーはそんな二人の目の前に舞い降りる。
「ふえ!?」
「よく頑張ったね。お姉ちゃんがきたから安心していいよ。」
ルーはしゃがんで二人を撫でながら優しく笑う。
そんな姿は背中の羽と相まって本当の天使のようだった。
二人は呆然とルーを見つめていたがまた新たな爆発音に我に返る。
「こ、ここまほうがいっぱいで!!それにけむりでどっちにいったらいいかわかんなくてっ!!」
男の子はルーに一生懸命説明し、女の子はこくこくと涙目でうなずく。
ルーは二人の説明に優しく笑って応え二人をかばいながら、すくっと立ち上がった。
同時に辺りにたちこめていた煙が風の魔法によって払われ、火の渦と水の渦がルーたちの両側からやってくるのが見える。
「「お姉ちゃんっっ…!!」」
「大丈夫。」
ルーは右手をのばし、凛とした声で『呼びかける』。
『空よ、私にその力の一端を返しかの攻撃を沈めなさい』
ルーの呼びかけに空が応え、はるか上の空から青のグラデーションになった光が降り注ぎ迫っていた魔法を打ち消す。
「「なっ!?」」
両者の驚きの声。
ルーたちの両側には今魔法で小競り合いをしてたと思われる人物が4人いた。
そのうちの一人、短めの髪にアンジュ・ポルトの制服を着た少年が声をあげる。
「ああっ!!ルー!どうしてこんなとこにいるんだよっ!?」
見知ったその声に止めた張本人であるルーも驚いた。
「レオーネ!?何であんたがここにいんのよ!」
レオーネ・ファスタ。彼はルーと同じクラスの男子であり昔からの腐れ縁、いわゆる幼馴染というやつだ。それもありそうでない異性の。
「なんでってその…。」
彼には珍しく気まずそうに口ごもる。
ルーはレオーネから視線を外し改めて周囲を見回した。
ルーたちを挟んで右側には同じクラスであるレオーネ。そして左側には上級生と思しき3人が対峙していた。
「あんたたち、小競り合いをするのは勝手だけど人を巻き込まないでくれない?もう少しでこの子達が巻き添えを食うところだったじゃない!!説明してもらえるかしら?」
レオーネはすまなそうに説明する。
「ちょっと揉めてたんだ。」
「それは見ればわかる。私が聞きたいのは何でこんな大きな喧嘩になったのか、よ。」
「そ、それは…。」
レオーネが言いよどんでいると彼の向かい側にいた上級生と思われる少年Aが口をはさんだ。
「お前みたいな魔法も満足に使えない奴に言う必要はない。…邪魔が入ったな。おい、いくぞ。」
そう言い放つと上級生は連れと一緒にさっさと歩いていく。
「…魔法止められた奴が偉そうに。」
そりゃ、普通の魔法は人並みよりちょっと下だけれども。
でも私の魔法(天使の魔法)が使えるから特に問題はないもん!成績以外は!!
「おねえちゃん、ありがとう!!」
「ありがとっ!!」
「どういたしまして。また巻き込まれないようにね?」
「うん!」
「ばいばいー!!」
男の子と女の子はぺこりと頭を下げるととたとたと走り去っていった。
「転ばないようにね~」
ルーは二人を見送り、姿が見えなくなるとレオーネの方に向き直った。
「さてと。ちゃんと説明してもらうからね?覚悟してよ。」
ルーは先ほど子供たちに向けた笑みとは違う種類の笑みを浮かべた。
読んでくださってありがとうございました!
話の内容は変えませんが文法がおかしなところを発見し次第少し直したいと思います。い、一応見直したんですけど、大体その日のうちには見つからなくて…。