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昼過ぎを回った学校。
授業までに少し早く着いたので、いつものように喫煙所でタバコを吸っていた。
今日はよく晴れる日だ。
降り注ぐ太陽の陽射しを浴びつつも、どこか体がだるさを感じる。
昨日はあれから家には帰らず、アキラのところで眠った。
アキラのマンションはシャワーはもちろん、ベットや食料もあるので
キリトはよく泊まっていくのである。
しかしアキラのテンションに付き合うのはキリトには少々疲れるとこがあった。
まぁ、飽きないし気が合う数少ない友人なので、悪くは無い。
キリトは欠伸をしつつ、残りのタバコを吸いきろうとしていた。
そこに、声がかかった。
「キリト?」
「ん?サキか。おはよう」
「おはよっ。今日良い天気だねー」
「そうだな。ここまで晴れると逆に気が滅入るぜ」
「またそんなこというー。少し髪切ったら?伸びてるよ?」
そういえば最後に髪を切ったのはいつだろうか。
いつもあまり気に留めないし、伸びたらアキラに切らせていた。
アキラは手先が器用なのだ。
「そうかな?まぁそのうち切るよ」
「うん。次授業?」
「あぁ」
「そっか。たしか今日それで終わりだよね?」
嫌な予感がした。
俺はあきらさまに嫌な顔をサキに向けた。
「なに変な顔してんのよ?じゃあ今日授業終わったら買い物付き合ってよ!」
「断る」
「即答かよ!いいじゃん!暇そうな顔してんじゃん!」
「顔は関係ないだろが」
俺は溜息をついてから空を見上げた。
太陽が憎たらしいほど輝いていた。
「そんな時間とらせないしさ!私のバイトの時間まででいいから」
「までってなんだよ・・・。わかったよ。しょうがない」
「やったー♪キリト付き合い悪いからなー。じゃあ終わったら連絡するからね」
そういうとサキは建物の中に入っていった。
晴れててもいいことなんかないな。