表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

死にかけているというのは本当か

「死にかけているというのは本当か」

 ラピスは、部屋に入ってくるなりそう言った。

「いや、まったく」

 浅緋は立ち上がりながら、苦笑して答える。人を呼んでくるとは言っていたが、まさか魔王本人が来るとは思わなかった。

「リル・リルハは、自分のせいで浅緋が死んでしまうと泣いていたらしいが」

 ラピスは浅緋の目の前まで来て、首を傾げた。相変わらず顔にヴェールをかけているため、本気か冗談か、よく分からない。

「死にかけてないし、リルさんのせいでもないよ。ただの痣だから、ほら」

 浅緋は服を捲って痣を見せた。

 と、ラピスの動きがビタリと止まった。

「……死ぬのか?」

「は?」

 ラピスの言葉の意味がわからず、思わず頓狂な声が出る。

「この程度の怪我、すぐ治るだろう。治せないほど容態が悪いのか?」

「んん?」

 今、何かすごいことを言わなかったか。

「ちょっと待って、前提がおかしい気がする」

 浅緋は慌ててストップをかけた。ラピスは大人しく浅緋を待っている。

「えーと……痣って、数日とか、数週間とかは残らない?」

 浅緋の質問に、ラピスは「残らないな」と首を振った。

「じゃあ、よっぽどひどい怪我でなければ、すぐ治るってこと?」

「ああ、数分か、長くても数時間といったところか」

 ラピスの返答に、浅緋は頭を抱えた。

 ダメだ、オレの常識なんて通用しないんだ、マーシュ人は。

「ラピス、落ち着いて聞いてね。こっちの世界の人とか、マーシュ人の皆さんがどうかは分からないけど、オレがいた世界では傷が治るまで時間がかかるんだよ」

「なんと」

「痣でも切り傷でも、小さくても数日はかかるものなの」

「そう、なのか」

「そうなんです」

 浅緋が神妙に頷くと、ラピスは顎に手を当てて何事か考え始めた。

「……そういえば、我々の中でも魔力量が多い者ほど治りがはやい。そうか、魔力の影響を受けない異世界人は、もっと時間がかかる、ということなのか」

 何やら一人で納得すると、ラピスは浅緋に向き直った。

「やはり我々は、異世界人について何も知らない。だからこそ浅緋、お前の力が必要だ」

「オレの?」

「丁度良い機会だ。……魔王と勇者の話をしよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ