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政治経済エッセイ

役立たずミサイルに3500億! またアメリカの廃棄品購入かよ!

作者: 中将

筆者:

 今回はご覧いただきありがとうございます。


 ちなみに僕は高校や大学を受験していた時に志望校全部落ちたら自衛隊に入ろうと思っていました。

 ご縁はありませんでしたが、そんなことで防衛については小さいころからずっと興味があります。



質問者:

 へぇ、そうだったんですね。

(その“もやし体型”じゃすぐにやられそうだから自衛官にならなくて良かったな……)


 今回はトマホーク購入のお話のようですが、これはどんな問題があるんですか?



筆者:

 そもそも「トマホーク」には「敵基地攻撃能力」のために購入するのが政府の建前としてあります。これはあらゆる記事に書いてあると思います。


 ところが、トマホークのような対地攻撃用の長距離巡航ミサイルは移動する目標への攻撃は困難で、過去にも弾道ミサイル移動式発射機への攻撃にトマホーク巡航ミサイルは使われていないという実態があります。


 と言うのも、中国やロシアが保有するS300やS400といった近代的な防空システムがあれば、トマホークの相当数は撃墜される可能性があると軍事評論家などから言われているからです。


 一方で日本は弾道ミサイル防衛システムを日米韓で共同開発して実証実験も行っています(ただし不具合が23年11月21日出たと発表)。

 「敵基地攻撃能力」のためにはこれで十分だという話もあります。



質問者:

 えっ……もはや何のために買ったのか訳が分からないじゃないですか……。

3500億と言ったらそれだけで今の防衛費総額のうち5%ぐらいあるじゃないですか……。


 (23年度の防衛予算は約6億8000億円)



筆者:

 ちなみに、アメリカ軍ではトマホークの事は

「開戦初頭に味方戦闘機の侵攻を手助けする第一撃用」としているようです。

 正直日本は侵攻する予定は無いので全く必要のない兵器と言えます。


 さらにこの予算額についても

22年12月16日の閣議決定では23年度予算に2100億円余りを計上し、その時は最新型400発の予定でした。

 

 ところが、23年11月17日の報道では、200発のトマホークブロック4(旧型)と200発のトマホークブロック5(最新型)で合計400発。

追加オプションとして、14基の戦術トマホーク武器管制システム(TTWCS)、その他の関連機器や訓練サポートなど諸経費込みとはいえ、3500億とはね上がったのです。


 「円安が影響」とか言っていますが去年12月と今とではせいぜい10円ぐらいしか円安になっていないのでただの詭弁と言えます。



質問者:

 ちょっとオプションが増えましたけど、旧型が半分になって、それで1400億上積み価値があるかと言ったら怪しいですね……。



筆者:

 まぁ、ややこしく話をしてきましたが簡単に言うと、


「アメリカ様にお金を献上した」


と言っても過言ではないです。まぁ防衛「フランチャイズ利用料」の上納金みたいなイメージですね(笑)。


 基本的に国債を発行すれば予算はあんまり気にしなくていいと思っていますけど、

 現状これで“防衛増税1兆円”が画策されていることを考えると不快感しかありません。


 産経新聞2022年10月16日の記事であるような

『空自軍用機で部品「共食い」3400件超整備費不足深刻』


 といった、まだ使える武器・軍用機の部品を新軍用機・新武器に転用

(これを“共食い”と言われている)するような事態を防ぐための防衛費や装備費の増額だったはずです。


 マスコミや野党もこういうことをもっと追及していって欲しいです。

 「トマホークは敵基地攻撃能力に必要!」

 とか、政府の広報活動や「茶番」とも言える活動をしないで欲しいです。



質問者:

 こんなに無意味なもののために増税とかちょっとふざけすぎてますね……。


 ところで、「敵基地攻撃能力」についても色々と批判があるようなのですがそれについてはどうなんでしょうか?



筆者:

 僕は必要な能力だと思っています。


 確かに、世の中の有識者と言われている人の中には、

『日本が敵基地攻撃能力や戦闘力を持つと、中国が攻撃してくる』

 などとおっしゃっている方がいらっしゃいます。


 ただこれについては、

「鍵をかけるから泥棒に入られる。鍵をかけなければ入ってこない」

 などと言っていることと全く同じことなんですね。


 しかも現在、防衛力・対応力は怪しいことこの上ないわけですが、

 中国が尖閣などの領海侵犯をやってきたり、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を日本海にしているという事実を受け止めなくてはいけないと思うんです。


 ですから、戦う能力を持っているかいないかと攻めてくるかどうかの相関関係はありません。

これまで日本にまともな戦闘能力が無くとも攻めてこなかったのは「アメリカ様」がいたからです。


 そして今、「アメリカ様」が守ってくれるかどうか年々怪しくなっていっているので、

追随している日本が更に舐められているというのが実情だと思うんです。



質問者:

 確かに何もしなければ、ここからさらに尖閣などは占領まで至る可能性は高いですよね……。



筆者:

 問題であると僕が感じていることは「敵基地攻撃能力」の議論のうち「先制攻撃」をすることです。


 相手国が「用意をしている」段階で「先制敵基地攻撃」をしてしまうと、

 

『戦争を仕掛けてきた!』


 と相手国が主張してくる可能性があるわけです。

 しかも、「用意していた」ことは相手国は揉み消すでしょう。


 そうなると「先制攻撃」をした国だけが悪者になってしまうのです。


 敵基地攻撃能力について批判する人はこの議論と混同しているように思えます。



質問者:

 なるほど……「先制攻撃」が色々とリスクがある話なんですね……。



筆者:

 ここでさらに問題になるのが、先制しないとなると迎撃しなくてはいけないのですが、日本は実戦での迎撃体験が薄いということです。


 勿論、訓練としてはやっているでしょうけど、実際のところは、


「今から日本列島めがけて打っちまーす!」って宣言してくれることは無いわけです。


 今現在乱発している北朝鮮のミサイルも日本上空に来ると分かった瞬間に撃ち落とさないと“最悪の事態“を防げないんです。


 しかも、23年4月13日や5月31日などは“レーダーからミサイルが消失した”と日本政府は情けないコメントがあり、予想外の動きをしています。


 そうなると日本上空の時点でミサイルを撃ち落としておく必要があるのです。

 

 幸い、日本は海が国境線となっているので当面の間は撃ち落とすことだけを考えておけばいいはずなのですが、そのビジョンすら見えません。


 放たれるのは何の効果もない「遺憾の意」砲だけなのです。



質問者:

 確かに、肝心な時にダメな可能性が今のところ高そうですよね……。



筆者:

 「トマホーク」についても大いに問題ですが、

 日本として有事に対する想定の甘さが本当に問題です。


 結局のところ「国を守る」という建前を掲げながら実情はただ単に「増税をしたい」というだけに過ぎないのです。


 いつか「情報戦」についても書こうと思っているのですが、

 『海自に電子戦や偽情報対策担う部隊新設、25年までに2000人規模』

 と中露を念頭にしているにもかかわらず、対応開始することすらも25年以降と言う惨事です。


 このように、何か防衛のための明確なビジョンがあるとは思えません。


 「中国にとっての条件」が揃えばすぐにいわゆる「台湾有事」は起きるでしょう。

 そして日本は何もできずに指をくわえて推移を見つめ、海上封鎖をされて日本は物資が入って来ること無く、国民は飢え死にしていくのです。


 紀元前500年頃に書かれた中国の兵法書『司馬法』では、

『どんなに大国でも、好戦的な国は必ず滅びる。

逆にまた、どんなに平和な時代でも、戦争に備えていない国は必ず危うくなる。』

 

 とあります。今の日本はどう見ても備えるべきですが、ロクに役に立たない兵器を買っているだけなのです。



質問者:

 我々国民はどうしていったらいいのでしょうか……。

 まさか「竹やり訓練で飛行機を落とせ」とかは言わないですよね?(笑)



筆者:

 流石にそれは無理があるでしょう(笑)。

 そもそも民間人ではどう転んでも相手の軍人1人すら倒せませんよ。


 軍隊が民間人を殺傷することは国際法違反ですので基本的には攻撃してくることは無いです。

(第二次世界大戦末期のアメリカが行った日本への原爆・空襲は国際法違反と言われることもある)


むしろ中途半端に攻撃することは『民間人に紛れた軍人』として扱われてしまうリスクすらありますね。


 現実的にできることは海上封鎖で食料が途絶えた時に備えて備蓄をするぐらいですね。

 缶詰や真空パックで封じてあるコメなどを貯めておきましょう。


 

質問者:

 それしか手段は無いのですね……。



筆者:

 政治の大失敗を一般国民が補うというのは相当難しいものがあります。


 あとは海外に逃亡するぐらいですかね? 

ただ、海外は海外で言語や文化が合わずに結局のところ「日本人コミュニティ」で固まることが多いみたいですからね。


 日本での給与、待遇、教育、文化などにかなり不満がある方で語学が堪能なら海外移住を検討しても良いと思います。


 それぞれの国でリスクがありますし、それらを総合的に判断してから海外移住をするかどうかを決めていただきたいですね。



質問者:

 なるほど“逃げる”にしても色々大変なんですね。



筆者:

 僕は、「平和は突然終わるかもしれない」そう思って毎日の「つかの間の平和」に感謝して生きていますね。

 突然“その日”はやってくるのではないかと思っています。


 ただポイントとしておきたいことは戦時になった場合は今の政治体制は一気に崩壊する可能性があります。

 国民の生命すらも大ピンチに陥りますが、そこを何とか凌ぎきれば、第二次大戦後に体制が大きく変わったようなパラダイムシフトが起きることになると思います。

 (ただし、必ずしも良い方向に行くとも限りませんが)



質問者:

 仮に有事が起きた際には何とか生き延びる方法を模索することが大事なんですね……。



筆者:

 「命あっての物種」とも言いますしね。

 勿論何もなく今の平和が続いたほうが良いに決まっていますが、もしも“戦時”のようなことが起きた際にはそのようなマインドチェンジをしていく必要があるように感じます。


 ということでここまでご覧いただきありがとうございました。


 今後もこうした政治・経済、マスコミの問題などを独自の視点でお伝えしていきますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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