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不信勇者の異世界攻略記  作者: ほーん
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今ってどういう状況なんですか?

 やらかした。本当にどうしよう。まずは中指を下げて....うん、今自分は急に召喚されたのだから、驚いていたり焦っていたりしないと不自然だろう。中指を堂々と立てているところを見られてしまったことに対する焦りで、一般人のように振る舞うことができていない。それでは相手を警戒させるだけだから...驚いている演技をしよう


「えっ!?ここはどこなんですか?どういうことなんですか!?」


 さも驚いたように振る舞う、まさにおろおろしてるように振る舞うために、小刻みに体を奮わせてる、その上に周囲を見渡す。俗に言うと「キョロキョロ」するとかいう奴だ。さて...演技を続けている間は時間を稼げるだろう、まず中指を立てていたことを誤魔化す必要がある.....って...あれ?


 周囲を見渡して気づいた、誰も嫌な顔をしていないのである。いや、こんなふうに怯えている人がいることに対するうざいなぁという表情、僕を見定めるような表情等の演技に対する表情は出ているものの、中指に対する不快な表情や驚いている表情に相応しいものはない。確かに周りにいる人は貴族なのだから、ポーカーフェイスとして中指に対する表情を上げていない可能性もあるがそれにしては不自然である。


 「ふむ...とりあえず落ち着いてくれないかのう?」


 玉座に座るいかにも王様のような人が話しかけてきた、金色の髪にどちらかと言えば暗い青色の目をしている。群青色と言うやつであろう、後ろにも似たような髪の色と目の色の女性や男性が立っている。年齢には差があり、王子とか、王女とかそこらへんの人なのだと思う。


 いや。こんなことを考えている暇などない、まずは少し落ち着いたように演技して何か質問をしよう。ありきたりな、見ればわかるような、単調な、無能な質問を、ここで核心に近い質問をしても賢い相手だと思われるだけだ。それにはメリットなど無い。


 そうだ、「あなたは王様ですか?」みたいな質問はどうだろうか、いかにも無能な感じがする。そうと決まれば質問だな。


「えっえぇっと....あなたは...王様なんですか...?」


 おどけながら、機嫌を伺うような表情を浮かべながら....そして!このまま中指に対して謝る!


「あっ!今さっきの不敬な態度に関しては本当に申し訳ございません!」


 そしてうろたえる...これで中指の件を流してくれないかなぁ.....?まぁ....無理か?


「今さっきの不敬な態度?...あぁ、確かに怯えているいたのはあまりよくは無かったが気にする程のこではない、急に召喚されて驚くのは当然であろう。」


.....?どういうことだ?何で中指の件にふれないんだ..............?それと召喚......?あっ!!!!


 完璧に理解した。僕は今、日本とは別の場所にいるのではないのだろうか?

まず、あの魔方陣、目を開けたら見知らぬばしょ、そして王様が言った召喚という言葉に、中指の件に触れないのは中指を上げるのが不敬という文化が無いのでは無いのだろうか?


 周りを見る。周囲にいる貴族とか、大臣とか、官僚みたいな服装をしている人達も王様の言うことに同調しているような表情や雰囲気を出している。王様が偶然僕が中指を上げていたことを見逃したわけではないことがこの反応からわかる。


 ....さて....中指の件は一安心でよいだろう。しかし....僕はいま.....別の....世界にいるのか.....ん?別の世界にいるのに日本語が通じるのはなんでだ?...魔方陣に召喚..あ!神の加護とかそういう奴か?う~ん...謎は深まるばかりだ。


 いや!こんなことを考えている暇はない、まずは何か会話をしないと!


「あのぉ...ここはどこなのでしょうか?」


 そう聞くと王様は答えようと口を開く、しかし王様が話すより前に隣に立っていた人が割り込む。


「王よ、ここは私に任せください」


宰相とか言うやつなのだろうか?それと王様に対してあまり丁寧に話していない、もう少し敬うような話し方ができるはずなのだがそれをしていないあたり仲が良いのだろうか?...いや、それでも公私混同するのはあまりよくないと思うのだが...


「うむ、それではお主にまかせることにしよう」


 王様がそう言うと宰相のような人は話しはじめた。

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