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 朝の内にクイズナー隊長と書き上げた倉庫の必要備品一覧を、他の隊長さん達にも確認してもらいます。


 机の一件で、何となく備品の在庫や整理について信用し切れなくなったので、机のきっちりしてそうな方に念の為見て貰うことにしました。


「ん? こんな理想の一覧作ってどうするんだ? 一月も経てば、元通りだろう?」


 トイトニー隊長の素っ気無い返事に、にっこり笑顔を返しておきます。


「当番決めて月一で掃除して戻して貰います。その際修理が必要なら引き受けます。」


 魔法の使用が許可されなかったとしても、誰かがきちんと修理に出せばいいのだから、その窓口くらい引き受けても良いと思っています。


「・・・お前が何か始めると、決まって何かが起こるような気がするのは気の所為か?」


 遂にはそんな言葉まで貰って、何となく目を逸らしたくなってしまいました。


「いやですね、トイトニー隊長。人を諸悪の根源みたいに言わないで欲しいです。人聞きの悪い。」


 ぼそぼそと溢しておくと、トイトニー隊長はジト目を向けてきつつ肩を竦めました。


「まあいい、止めたところで無駄な気はするからな。好きにやって良い。」


 特に一覧への追加はありませんでしたが、色々容認して貰えたようなので、遠慮なく進めさせて貰おうと思います。


「クイズナー隊長、これで良いって許可出ましたので、予定通り午後から人集めて一気に片付けでいいですか?」


 雑然とした机の前に座るクイズナー隊長に話しに行くと、魔法書を読んでいた様子のクイズナー隊長が顔を上げました。


「あーうん。隊員には適当に声掛けといたよ。レイカくんの手伝いって言っただけで面白いくらい手が上がるから、本当助かるよ。」


 悪びれずにそう言ってくれたクイズナー隊長には、ちょっとだけジト目を向けておきますよ。


 手伝いの内容はきっと言わなかったのでしょうね。


 人海戦術でさっさと終わると良いのですが。


「それじゃ、レイアウト決めときますね〜。」


 そう声を掛けてから、空いている事務机に座りに行きます。


 出して貰った紙にインクを浸したペンでじっくりと倉庫の図を描いていきます。


 棚の初期配置なんかは誰か覚えていそうな人に訊いてみないといけませんね。


 片付いてる部屋というと、ケインズさんを思い出してしまいますね。


 コルステアくんがレイナード部屋家宅捜索をして下さった時にお片付け陣頭指揮を取ってくれてましたよね。


 ですが、カルシファー隊長が外任務に出るって言っていたので、恐らくケインズさんも行ってるんじゃないでしょうか。


 午前中から外任務って珍しいですが、それも秋に向けて増えていくんでしょうか。


「倉庫内の棚配置って覚えてそうな人っていますか?」


 隣で事務仕事をしていた第二騎士団ナイザリークの事務官さんに声を掛けてみると、驚いたようにこちらを見返されました。


「あ、あー。えっと、クイズナー隊長は記憶力も良いですよ? まあ、お片付け能力は壊滅的だと思いますけど。」


 成る程、第二騎士団ナイザリークで一番魔法に造詣が深いと言われているクイズナー隊長ですから、頭の作りも良くていらっしゃるのでしょう。


 後半の壊滅的片付け能力について頷きつつ、マイペースに魔法書を読んでいるクイズナー隊長に目をやりました。


「クイズナー隊長、倉庫の棚配置って覚えてます?」


 声を掛けてみると、直ぐに魔法書から目を上げたクイズナー隊長が机を回り込んでこちらに向かってきます。


「うーん。始めは壁沿いにこう3つずつ並んでたんだよ。」


「何段くらいですか? 一段の高さってどのくらいでした?」


 細かく問い掛けていきますが、これが一々答えがきちんと返ってくるから、大したものです。


 記憶力凄いって本当ですね。


 お片付けも、理想は見えても実現出来ないタイプの方なんでしょうか。


「ただ、この初期配置から、無理やりこの辺に棚を二つ入れてて、ここの通路を潰してるからその奥の場所が死んでてね。」


 成る程、考えなしに突っ込んでデッドスペース作ってるから、あんな倉庫になっちゃってるんですね。


「うーん成る程。動線も考えて、しょっちゅう使うものは奥に持ち込まなくて良いように、でも散らからないように収納させるとして・・・」


 ぶつぶつと考えながら配置図を作っていると、中々この作業も楽しくなって来ました。


 ネット検索出来る環境だったら、収納のプロ的な人達が作るレイアウトとか覗いてみたいものです。


 ここは仕方ないので、素人の浅知恵で頑張るしかないですね。


 サラサラと収納物含め大まかな配置図を完成させて、大物や長もののサイズ感をクイズナー隊長に聞いて無理なく収納出来るか検討していきます。


 そんなこんなで完了したレイアウトを元に、クイズナー隊長に作業人員の振り分けをお願いしました。


 とはいえ、あくまで机上の空論的なレイアウトなので、現場でやり直しはどうしたって発生するでしょう。


 倉庫の中身を引っ張り出して、要るもの要らないもの整理をするだけでもかなりのお片付けになる筈ですけどね。


 あとは、捨てるに忍びない備品の修理魔法をちょっと調べておきましょうか。


 図書館から借りていた本にそんなような魔法の記述があったような気がします。


「クイズナー隊長。修復魔法をちょっと調べに部屋に戻って来ますね! 昼食後こちらに戻りますので。」


「はいはい、了解。」


 クイズナー隊長に許可を貰って、事務室の片隅で遊んでいたコルちゃんとヒヨコちゃんを回収です。


 ヒヨコちゃんは、一回で食べられる餌の量が増えたみたいで、お母さんが餌やりに来る回数が少しだけ減ったような気がします。


 自主的羽ばたき練習はしてますが、巣立ちまでのプロセスってどうなるんでしょうか?


 今のところ、お母さんが飛行を促すような行動には出ていません。


 これも今日の作業ついでにクイズナー隊長に何か知らないか訊いてみようと思います。

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