9 街散策とお買い物
異世界転生TSファンタジーものです。色々嗜好をぶっこんだ作品になっているので自我が荒ぶる感じでお送りしております。また、めちゃくそチート設定でお送りしておりますので苦手な方は他の小説を読まれたほうが幸せになれると思います。
文章力が無さ過ぎて色々やばい気がしたので文章力つけるために書いてる感じです。
このような小説ですので稚拙な表現等々、目をつぶっていただけると幸いです。
今回は一段と読みにくいとは思いますがご容赦を。
どうも、銀髪ロリエルフの者です。昨日は街に服や装備を買いに来たはずが物件を買ってしまいました。そのおかげで予定が狂ってしまったので、日を改めまして街に再出撃しています。はい。
昨日の夜は森の中で強固な豆腐ハウスを作って過ごしたけれど、なぜか魔物の襲来もなく割と快適に過ごすことができた。これなら森の中で済めばいいのではと思ってしまったが、1度でも文明社会に触れた身ならばその不便さは身に染みるものがあるのでやっぱり街の中に家が欲しいなと思う。
森の拠点?から街までの道中で魔物を倒して拾った魔石を買い取ってもらうついでに、ギルドの受付嬢であるミカさんにおすすめの防具屋さんや装備屋さんを聞いておいた。おすすめされた中でも「工房シュトー」はかわいい装備も置いており品質も高いらしく個人的に一番であるとのことなので、そこに行くことにした。
今はミカさんからもらった地図を頼りに目的の工房へと向かっている最中である。その工房は難民を受け入れている区画ではなく、一般の区画にあり、初めて足を踏み入れる区画である。街並みは、難民を受け入れている区画よりも整っており、清潔感さえ感じることができるほどである。街道っぽいところを歩いているが、舗装された道路の上を車やトラックのようなものが頻繁に通っており物流も盛んであるように感じる。さらに交差点には信号機っぽい機械もあるなどかなり交通も発達しており、異世界と言えば馬車という概念が通用しないため面食らっている。異世界といえば中世という通説はいったい何だったのか。
道の両脇には雑貨屋だけでなくアパレル点や飲食店、さらにはサービス業系の店舗まであるので、自分が元居た世界とそう変わり無い雰囲気が感じられる。行きかう人々はどれも清潔そうな服装に身を包み裕福そうな感じである。
そんな現代的な街並みの中を歩いているが、どうも物珍しい視線が自分に向けられているように思う。自分の背後に有名人とかが跡をつけていたりします?いませんよね?いないね。もしかして、この手作り感満載の修繕した純白ワンピースが気になって仕方のない方たちですかね?そんなにみられると視覚的な防御面が気になるな?早くまともな装備に身を包みたい...。
行きかう人の8割は人間であり、残りの2割は獣人族や兎人族などの亜人族という感じで人族メインの街であるようだ。そのためか、エルフにはサリア以外まだ出会ったことがなかった。行きかう人からするとエルフは珍しい存在なのだろうか?真相は謎である。
「えーっと、右の角に果物屋さんが見えたら左に曲がって?まっすぐ行って左側にある感じ?」
地図上ではもうそろそろ目的地といったところで、かなり近づいたことに謎の感動を覚えている。工房の場所は随分と入り組んだ場所にありここまで来るのは容易ではなかった。大通りに面してくれたら道が分かりやすくて入りやすいのになんで路地of路地の裏側くらいのところにあるんだろうか?
「?どこにあるのこれ?」
左に曲がった先は細めの路地であったが、本当にこの通りにあるのだろうか?あっても店内に入りづらそうだなぁ。多分看板があるはずだし、とりあえず進んでみよう。
「とと、ここか?」
看板があると思って上の方を見ていたが正解だったようで、ちょうど工房の看板を見つけることができた。工房がある建物を見た感じ、周りにあるような、中世ヨーロッパとコンクリ建築を組み合わせた建築物とそう変わり無く、ここに工房があるとは思えないレベルで同じ外見となっている。景観保全の観点から統一した型を使わないといけないとかあるのだろうか?でも、レトロチックな外見で一見さんお断り的な雰囲気ではないので安心した。
色々と店の前で考えてしまったが、とりあえずは中に入ることにしよう。
扉を開けるとそこには装備が所狭しと並んでおり、一部はアパレルのようなものもある。どれも品質は高そうで良い品であることはド素人の自分でもわかるレベルである。工業化が進んでいるのでウニクロみたいな規格化された製品が並んでいるとばかり思っていたがそうではなく、意匠を感じさせる品が多く並べられており色々と興味が引かれる。並ぶ品々に目を奪われていると、店の奥から男の人が出てきて声をかけてきた。店主だろうか?
「らっしゃい、嬢ちゃん。ゆっくりしていってな」
「あ、どうも」
ふいにかけられた声なので謎の応答+軽いお辞儀のセットをやってしまった。こればかりは反応できないししょうがないよね?店主の目線から避けるようにトトトと店内を移動して目的である装備が置いているコーナーへ向かう。店員さんに聞くよりも、じっくりと自分の目で選んでおきたいよね。
まずは装備についてだ。装備は多分この先も魔物狩りの毎日なのでしっかりとしたものを選びたい。いざとなれば、自身の能力で修繕すればいいので別に高い物でも構わなく思っている。装備は軽装で動きやすい物がいいな。物理で殴るにしても動きにくいものはどうも自分の好みではない。ましてや、金属のプレートで作られたような重装甲な装備となれば満足に動くことができなくて逆にぽこられ祭りになるだろう。
ジャンルが決まったので、店内のポップで表示されてる軽装備コーナーに向かう。
軽装備コーナーには大人用だけでなく、ちゃんと幼女ようにも合うようなものあって、かわいい物も多い。レジャー感覚で親子が魔物狩りに行くとかあるのかな?それとも物語に憧れた子供たち用?ぷいきゅあとか?
「おおお、これいいな」
数ある装備の中でも目に留まったものはモノクロカラーの軍服ワンピース装備である。基本の色は白であるが、アクセントとして胸のあたりには大きな黒いリボンや黒のラインがあるなどデザイン性に富んでいる。さらに、動きやすさも考えられているようで、生地やそのカットに工夫が施されている。単にかわいいだけの装備でないのはとても得点が高い。というか得点が高すぎる。これどうなってるんだ?
ちょっと、夢中になって観察していると後ろから声がかかった。
「それに目をつけるとは嬢ちゃん、ミカに聞いた通り中々鋭いねぇ」
「ひゃい!?」
いきなり声をかけるのが趣味なのだろうか驚くのでやめていただきたい。もしかして、このお方スニークスキルでもお持ちですか?
声をかけてきたのは店を入った瞬間に声をかけてきた人と同一人物である。店内にはほかの従業員らしき人はいないし、この工房は一人でやっているのだろうか?
「そんなにおどろかれるとは、悪い悪い。」
「ほんとに驚きましたよもう。それで、鋭いとは?」
「その軍服ワンピース。軽装備で動きやすいだけだなく魔法物理療法の防御力も高い代物なんで、それに目をつけるとはなかなかですなと」
そんなところに目はつけてないぞ?単にデザインで選んだだけだし。ポップに書いている性能票を見たところ、5段階中、動きやすさ☆5、魔防☆4.1,、物防☆4となっている。確かに性能的にはオールラウンダーのハイエンド系という感じである。まさか、こんなにかわいい装備が防御性能がいい装備だとは思わなかったな。
「これとてもかわいくて、防御もありますし、いい装備ですね」
「そうだろう。さらに、そいつは出来立てほやほやだ。そんな装備が、今ならお値打ち価格30万ゴールド」
30万ゴールド?予想してたよりも斜め上の価格であるが、この先だいぶ着ることになるし自身を守るための物でもあるのでケチるつもりはない。ただ、この価格はこの服に対して適正なのだろうか?ちょっと周りの装備をみてみると、同レベルの防御性能を有する装備は30万ゴールドでは買えそうもない。普通は50万ゴールドくらいするみたいである。何か良くない話でもありそうであるが、聞いてみるか?
「そんなとてもいい物が、どうしてそんな特価で売られているんですか?しかも出来立てほやほやで」
「嬢ちゃん、そこ聞いちゃう?実はミカから戦闘狂のロリエルフに合う装備服を作って店に並べてくれと依頼されたもんでな。特価レベルで売るために差額も出すし、もし売れなかったら自分が買い取るとまで言ってた。そしてその嬢ちゃんが来て、それを知らずに選んだというわけだ。」
「ミカさんガチじゃん(白目)」
「そうさ、ミカはかわいい子に目がないとはいえ、今回は本気でデザインまで考えてきやがった。」
店主らしき人はやれやれといった雰囲気で頭を掻いているところを見るにミカさんと結構近しい関係のようだ。それにしてもミカさん、いいデザインセンスをしているが、行動がとても怖いレベルである。よくギルドの受付嬢勤まってるな?さらにミカさんの謎が深まるな?
「とはいえ、この装備気にっていますし。買います」
「毎度、嬢ちゃん。こいつはレジ前で預かっておくから、他にも色々見ていきな」
「そうします」
店員のおっちゃんは軍服ワンピースの装備をレジ前までもっていくと奥に引っ込んで出てこなくなった。これで声をかけられることもなく店内散策に集中できるな。
そういえば装備には靴下や靴はついていなかったから。次はその辺を見ていこう。
「靴下はショートタイプ、ハイソックスタイプにニーハイ。色は白と黒だけだけど、結構置いているな?しかもちょっとした防具性能もついている」
所狭しと靴下が置いているが、自分が買った軍服ワンピースにはどれが合うだろうか?個人的に鉄板なのは黒のニーハイと暗めのブーツ的な何かで合わせるのがしっくりくる。白基調のワンピースなので、ニーハイは黒ではなくて白なのかなとも思ったけれど全体的に白いのでそれもどうかと思った次第です。はい。なんでニーハイなのかって?絶対領域は必ず必要なので。
「靴はー。色々あるな?ローファーもあるし、ハイカットブーツもある。」
靴は色々と汚れること前庭なので暗めの色の物一択であるが、棚に並んでいる靴はどれも似合いそうである。ローファーで学園チックな雰囲気にしてもいいかもしれないし、ハイカットブーツでかっちりした雰囲気に合わせてもいい。うーん。正直悩みどころではあるけれど、試しでハイカットブーツを買うことにした。
「服装に関してはこんなものかなー。」
店の中を改めて見渡したところ、MSDというポップがある。なんだったっけ?ポップに書かれている小さな字を見る限りMagic Surpport Device:MSDという名称らしい。あー魔法の補助道具だったっけ?サリアが使っていたような気がするな?種類も豊富だし価格も安めの物からあるところを見るに、ポピュラーなもののようだ。魔法メインでの戦闘をやっていくとしてもこの装備はあったほうがいいと直感が告げている。補助というからには、魔法の使用が楽になってくれるに違いない。いい感じにオートエイミングとかしてくれるのかな?
そのMSDは大きく分けて2タイプあり、杖などの魔法補助に特化したタイプと、剣や斧などの魔法補助のほかに物理攻撃もできるタイプである。物理攻撃可能なMSDは頑丈に作られているためなのか魔法補助能力と行使できる魔法に制限があるようである。行使できる魔法はMSDにエンチャントとして付与するようなものが多く、MSDが対象に接触したときに発動する魔法や、MSDの周囲に効果が及ぶものなどが該当するみたいだ。一方で相性が悪いものは射出系魔法や範囲効果魔法などの類となる。これらの魔法だと効果範囲が短くなるようだ。これは憶測だけど、物理系MSDは近接戦闘だからそこまで魔法効果の範囲が必要とされていない代わりに、発動タイミングとか魔法の補助に性能を振っているのかな?
自分はスノウエルフらしいから氷系の魔法を使って戦うスタイルと決めている。実際の戦闘では氷柱を発射する比較的簡単であろう魔法をメインで使う。そのため戦闘スタイル的には射出系魔法で中距離戦闘となる。射出系魔法に制限がある物理攻撃可能なMSDよりも、魔法補助特化タイプのMSDの方がいいだろう。近接戦闘はとりあえず自身の能力で底上げした拳で何とかなるし、最悪木の棒を振り回していればいい。脳筋パワー戦法万歳。パワーを信じよ!抵抗するで拳で!
「ほえー魔法補助特化タイプのMSDも結構種類があるなー」
初心者用にいろいろまとめているポップによると、手元に収まるハンディタイプや指揮棒タイプ、大型の杖もあるが極めつけはリングタイプもある。そんなものまでMSDなのか。様々な種類があるが、森の中では草木が多いことから長物である杖や指揮棒といったものはちょっとした枝に打ち付けて壊れそうなので避けたい。となると、選択肢は、ハンディタイプのものかリングタイプなどの小型のものだろう。
ポップを見る限りMSDの魔法補助性能は価格とサイズ、保存魔法数に依存するみたいだ。MSDのサイズが大きくて値段が高い物は補助性能が良く、扱える魔法の数も多くなるみたいだ。MSDで扱える魔法は書き込まれた魔法のみなのでそこがかなりネックになってくるだろう。
コスパで優れているのがハンディタイプのものであるが、魔石を拾ったりするタイミングで無くしそうなので、自分にはリングタイプが一番合っているような気がする。リングタイプで発動できる魔法数は魔法の複雑性によるが基本魔法で2つ程度らしく、お守り程度の物みたいである。実際にポップにもお守りにどうぞと書いている。ただ、今の戦闘スタイル的に氷を射出しまくるだけの単純な魔法しか使わないのでそれだけで十分かもしれない。必要になったら魔物で稼いで買いに来たらいいか。
そう決めて、リングタイプのMSDが並ぶショーケースの中を見る。
「おー、デザインが凝ったものも多いけど価格が結構するなぁ。」
エンゲージリングや贈り物にでも使われるのだろうか?無駄に装飾されている指輪ややたらと宝石みたいなものが埋め込まれているものもある。これらは20万ゴールドくらいでお値段がする。こういうのは求めていないので、他のを見てみよう。
「お?これデザインもシンプルだしこれにしよう。」
選んだリングは無地のリングに透明な紫色の石がはめ込まれたような簡素なものである。こういうものでいいんだよ。内なるこういうものでいいんだよおじさんがそう言っている。多分戦闘で傷がつきまくるしシンプルイズベストだ。こんな見た目であってもMSDなのでどんな技術が使われていのだろうか?。気になるな。
奥に引っ込んだ店員さんを呼び、このリングを買う旨を伝える。
「毎度、嬢ちゃん。こいつに書き込む魔法はどうするよ?」
「そのMSDには氷系魔法だとどんな魔法が書き込めますか?」
「あー、アイスニードルは書き込めるだろうが。ブリザードとかフローズンとかは厳しいな」
アイスニードルは氷を射出する系魔法だと想像がつくが、他は吹雪による広範囲ダメージや凍らせる感じの状態異常系だろうか?この2つは魔法難易度が高そうなので、自分が行使できることはできない設定の方が何かと都合がよさそうではある。
「ではアイスニードルでお願いします。」
「はいよ、補助具合はどうする?嬢ちゃんなかなか戦闘上手みたいだから魔法発動が早い、魔法補助最低がいいか?」
補助具合で発動時間が変わるとか何を補助しているのか不明ではあるが、とりあえずは発動が早い方がいいので、
「はい、補助最低でお願いします。」
「わかった、そのように書き込んでおく。こいつが出来上がり次第呼ぶから適当に店の中で待っていてくれ」
「わかりました。」
あらかた必要そうなものは選んだので他に欲しい物はないけれど、異世界に転生してきた身としては見たことのない物が多く、店内をぶらつくだけでかなりの時間がつぶれた。というかまだ店内を見回るには時間が足りなさ過ぎた。また来よう。
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「そいで、例の装備と、靴、靴下とリング型MSDの書き込み済みで占めて50万と言いたいところだが、嬢ちゃん結構うちのもの買ってくれたんで割り引いて45万ゴールドだ」
「それはありがたいです。支払いはギルド証でも大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。こっちにかざしてくれ」
レジ横の端末にギルド証をかざして決済を完了させた。マジ便利ギルド証。
「まいど!それじゃ、パッキングするからちょっち待ってな」
結構大量な箱やら手提げ袋やらを持たされそうな気がするので、どうせなら着て帰るか。
「あの、買ったもの着ていっても大丈夫ですか?どうも手持ちが大変ことになりそうなので」
「ああ、何の問題もない。試着室使って着替えてきな」
「ありがとうございます。」
購入したばかりの物を両手いっぱいに抱えてテテテと試着室に向かう。防御力ゼロひらひらワンピースからの解放だー!これで街中を堂々歩くことができるぞー!おー!
レジからは「こりゃ、ミカの奴が気に掛ける理由がわかるな。シンプルにかわいい。」という独り言が聞こえたような気がしなくもないが、それどころでなく着てみたい欲に駆られていた。
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「おー!おー!おおおお!」
軍服ワンピの装備に着替えて試着室の鏡で確認したら碧眼の目を輝かせたどちゃくそかわいい天使がいる。ミカさん作の装備はオーダーメイドだけあってめちゃくちゃ自分の雰囲気に似合っている。さらにサイズもぴったりだ。サイズを測られた記憶はないが、可愛い子好きを極めるとそのレベルまで達する者なのだろうか?なんにせよ怖いけれど。着てみた感想としては軽装備だけあって軽く、動きにくいこともないため着心地がいい。工房シュトー、やりおる。スカートのひらひら具合は単純なワンピースと比較すると抑えられており、諸々の防御面も信頼できて感動した。
あまりに感動したので可動域確認のポージングを色々としてしまった。サイドチェストォ!のポージングをとったところで、謎の違和感に襲われた結果、自分の精神が男であることを再認識してしまった。
このロリワンピースを身に着けている中の人は男の自分だ。考えても見よ精神世界では、軍服ワンピで女装した男だぞ?多分。男の娘属性を受け入れた民ならば問題ないかもしれないが、そうではないのだ!しかも、テンションが上がった結果、手を丸めて猫のポーズしてみたり、手を耳に見立てて兎のポーズもしてみたりしており、思い返すとと恥ずかしいことこの上ないし、地獄だあああ!精神に大ダメ―ジ!。これからカオリはどうなる?次回、カオリ(精神的に)死す!。
「これが、黒歴史。なのかな?(白目)」
このダメージには一生慣れないんだろうなとか思って店の出口に向かっていると、どこからか聞いた声に呼び止められた。
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