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83 魔物狩り演習2日目1

(略しすぎています)

 どうも、昨日のお風呂事件が時折フラッシュバックした結果、寝付くのが超絶遅くなって短時間しか寝れていない、銀髪ロリエルフになったものです。ロリになった自分の体ならまだしも、自分ではない異性の裸体を見るのはとても刺激が強すぎると思います。みんなは自分よりも魅力的な体つきをしているので余計にそう感じます。はい。

 今は施設内の食堂に来ていてリリーガーデンの全員でお昼ご飯を食べている所です。


「カオリちゃんは昨日よく眠れた?」


 サリアが少し心配そうに聞いてきた。よほど眠そうなのが顔に出ていたようだ。ここはちゃんと眠れていないことを言う方がサリアの心配も晴れると言うものだ。ちゃんと答えることにしよう。大浴場の光景が脳裏に焼き付いて寝れませんでしたと言うことは除いて。


「いや全然、少ししか眠れなかったよ。いつもの枕と違うからかな?」

「それはどうしようもないよね。眠そうだし魔物が出るまでに時間があるから仮眠しておく?」

「お言葉に甘えてそうしておこうかな?万全で居たいし」


 そう言うとサリアは心配そうな表情からいつもの表情に変わった。心配が少し晴れたようで何よりだ。

 森の中は何があるかわからないため体調が万全に越したことはない。唐突に魔物の大群が来たりオーガに襲われたりすることだってある。その辺をサリアは感じていたのかもしれないな。もしも森の中で自分の体調が悪くなった時にはパーティーメンバー全体のパフォーマンスが下がること必至だし、これ以上メンバーに迷惑をかけないようにするには正解の選択だったのかもな。

 リナとシルフィアは2人で別の会話をしているので、サリアと話して決めたことを知らない。会話を区切るのは申し訳ないが、自分が仮眠することを伝えるとしよう。


「リナ、シルフィアごめんだけど、寝不足だからお昼ご飯終わったら自分は部屋で休んでるね」

「いいよー」

「わかりました」


 素晴らしく快諾をいただいた。ありがたい限りだ。昼の時間は自分が参加できないけれど、その分夜の時間は張り切るとしよう。見てるだけだけど!


 自分は寝不足だったんだけど、みんなはいい睡眠を得ることができたのだろうか?すぐに寝ていたところから容易に察する所ではあるが。


「みんなはぐっすり眠れた?」

「眠れたかな」

「眠れたよ!」

「寝れましたね」


 デスヨネーーーー!ちくしょう!寝不足の民はいないのか。なんか、自分だけ寝れないのは地味に癪に障るんだが?


「いつもよりも動いていたってのもあるけど」

「やっぱり...お風呂ですよね」

「そうそう!」

「体の疲れがとれる感じで良かったよね。それに...」


 そうサリアは言葉を区切り、何かを回想するように視線を食堂の天井へ向ける。サリアだけでなくリナやシルフィアも同様に視線を上に向けた。自分以外は何かピンと来ているようだし、なんか気になるな。サリアの言葉の続きをうながしてみるか。


「それに?」

「ごめん、なんでもないかな?本当に疲れが取れたって感じかな」

「もー何それ気になるじゃん?」

「本当だよ。みんなもそうだよね?」

「そうだねー」

「そうですね...」


 なんか色々含んでいますみたいな回答すぎるな?それに、視線を自分と合わせようとしないし、なんなら天井を見ている。どう考えてもはぐらかす感じMAXだし、答えてくれないと余計に気になるじゃん?でも答えてくれそうにないし、この感じからして真相はお預けだな。残念すぎる。お昼寝できるかな?なんか、こんなことを考えている自分を冷静に見ると、学園の演習時間中に真剣にお昼寝について考えているパーティーのインストラクターであるが、やばい奴でしかないな?

 それはさておき、インストラクターで思い出したけど、今日の演習方針について何も決めてなかった。行き場所も報告しなきゃだし、サリアたちが準備することを踏まえて早いうちに決めておくのがいいだろう。みんなが集まってちょうどいいし、演習の方針を決めることにしよう。


「話は変わるけど、今日の魔物狩り演習も同じ場所に行く感じにする?」


 その言葉に対して一番最初にサリアが回答した。

 

「魔物も居たし、障害物とかがあまり多くなかったからそこでいいかも。みんなはどう?」

「大まかな行き方がわかったから迷わなくていいかも」

「人も多くない場所で戦いやすいですし、そこで大丈夫です」

「時間もちょうどよかったから昨日と同じ時間でいいよね」

「「いいよー」」

「と言うことで昨日と同じ場所、同じ時間から行く感じにするね」

「わかった」


 昨日と演習方針は同じな感じで、ひたすら森の中を西に行く感じになるだろうな。昨日通ったルートが使えるので目的地まで早めに着けそうだ。目的地に早くついたらそこを拠点として魔物を狩るという演習も設定してもいいな。我ながらいいアイデアすぎる。採用。


 昨日と同じ時間から森に入るとなったら、今からその時間まで仮眠することができそうだ。だいぶ睡眠時間が短かったから超絶ありがたいぞ。眠ることができるかはさておいて。大事なことなので2回目です。

 そんな感じに自分はこれから寝るとして、みんなはその間に何をするんだろうか。聞いてみるか。


「そういえば、自分はこれから仮眠するけど、皆はこれからどうするの?」


 その言葉を聞いたサリアとリナ、シルフィアは考えていなかったと言わんばかりに首を傾げた。そして、各ー視線を合わせて考え始める。


「んー?模擬戦?」

「模擬戦もカオリちゃん居ないとなれば無理そうだね?」

「それに森の中を散策するのは...もう昨日しましたし」

「図書館的なものってこの施設にあったっけ?」

「自習か、いいね!」

「サリアちゃん、リナちゃん、この施設には無いですよ...」

「「「......、もしかして、やることない?」」」


 サリアたちはさっきまで元気に演習について考えていたのに、今はFXでお金を溶かした人の顔になりかかっている。あまりのやることのなさに虚無りかけているのだろう。自分が夜の魔物狩りに備えて寝るばっかりに申し訳ない。すまん、みんな。

 サリアたちの案の助けになるかと何かあるか考えてみたが、マジでやることがない。インストラクターである自分が起きていれば模擬戦や魔物との戦いかたのレクチャーができて、森の中にも行くことができる。でも、インストラクターが不在では生徒の安全のために行動がかなり制限され、宿舎とグラウンドで出来ることになる。グラウンドで魔法の練習をするのは手だが、日中に魔力を使い果たしては夜の魔物狩りに支障が出るしなぁ。


 あれやこれやと考えていると、ポケ~っと考え込んでいたリナが唐突に手を挙げて提案をしてきた。


「はい!みんなで寝るのはどう?」


 昼間にただ寝て過ごすのは授業である以上側から見て、いい顔されないだろう。だが、夜の魔物狩りが出来なくなるような活動を昼にすることはもっと悪いと思う。なので逆に何もしないという選択は演習の目的からして一番いいように思う。これで決まりだな。


 リナの案で行くのに自分も賛成と言いかけた所で、サリアとシルフィアはリナの案に賛成を示す。


「「それあり!」」


 そのように言うサリアとシルフィアの表情は、虚無さは無くてワクワク感を感じるものだ。一体寝ることになんの楽しみを見出しているのだろうか?

 

「(カオリちゃんの寝顔も見れるし)」

「「(ねーー)」」


 おい、リナよ。聞こえてるぞ。サリアとシルファイのワクワク感はこういうことだったか。自分は見せ物じゃないよ?ベッドに入ったら、さっさと眠りにつきな?

 みんなの小声に脳内ツッコミを入れていると、リナが掛け声をかけた。


「そうと決まれば、リリーガーデンのみんなで寝るぞー!」

「「「おー!」」」

「おー?」


 おー?じゃないんだよ!ノリでおーって言ったけどさ?気合い入れるような物でもないよ???気合い入れるなら自分の寝顔観察せずにすんなり寝よう?そうしよ?


 演習の本番が夕方からとはいえ、こんな感じで演習期間を過ごすのは大丈夫なのだろうか?不安になってきたぞ。まあ何か言われた時には、インストラクターには演習での課題設定に十分な自由があることを楯に、寝不足につき安全性を考慮して仮眠させましたとでも言うことにしよう。魔物狩りは万全なコンディションでないとな!


「ん?」


 そんな感じで話がまとまった時、食堂にいた人が立ち上がり、どこかへ向かうのが目に入った。誰でも利用できる食堂なので特に問題はないが、立ち上がった人が問題だった。それは、ゲセスターのパーティーのインストラクターである新人衛兵槍装備君だったのだ。

 自分が何かに反応したことが気になったのかシルフィアが声をかけてきた。


「カオリちゃんどうかしましたか?」

「なんでもないよ。気にしないで」


 とシルフィアに返したのはいいものの、彼が立ち上がったタイミングが良すぎて違和感を覚える。今日のリリーガーデンの活動方針が把握できたので立ち去りました的な感じに思えてくるのだ。くっそ適当な見方なので実際はどうなのかはわからないけれど、これまでゲセスター関連のフラグに引っかかりまくってきただけに悪い方向に勘繰ってしまう。

 もしパーティーの行動パターンが把握されたとすれば、お昼寝する時間以降に何かアクションがあるかもしれない。その時にパーティーが危険とならないように警戒しておいたほうがいいかもしれない。これが杞憂であったらいいのだけれど、そうじゃないんだろうなぁ。こう言う時の勘ってよく当たる気がするし。


 ああ、気になることが増えてしまった。サリアたちのお風呂でのお楽しみでしょ?それに、ゲセスター関連の同行。色々考える事ができて思考が発散してしまいそうだ。それに加えて、時折フラッシュバックするお風呂場でのサリアたちの姿で眠気も飛ぶし、なんかサリアたちに観察されながら寝ることになるでしょ?あれ?これちゃんと寝れるのか?ガヤガヤした教室や、魔物が多い森の中とかで寝てきたけど、今回は無理そうな予感がするぞ?

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