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82 魔物狩り演習1日目7

(略しすぎています)

 赤い暖簾に秘められた先には何の変哲もない広い脱衣場があった。脱衣場には誰も居なかったから少し安心したぞ。もし目の前に裸の女の子達がわんさかいる状態だったらサリア達の拘束を振り切って速攻で部屋に帰っていたかもしれない。そういう意味では遅めに大浴場に来て正解といったところだ。とはいえ、そんな場所にいること自体がやばいのだがな。今の自分はロリだし問題が無いのだけど、ってそう言うのじゃなくてだな。男子高校生の精神が今すぐに考え直して部屋に帰るんだと訴えかけてきているんだよ。

 サリア達は自分を赤い暖簾の中に入れたことで満足したのか、自分を解放してロッカーのある方面へと向かった。それでいいのか?自分逃げるよ?というものの、自分は部屋の鍵持ってないし、着替えもシルフィアが持っているのでどうしようもないな。これは腹を括って一緒にお風呂に入るしかなさそう(白目)。


 心が大荒れ模様なので気を紛らわすために脱衣場に何があるのか確認してみると、自分が知っている脱衣場とそう大きく変わらなかった。脱衣した服を入れるロッカーや身だしなみを整える鏡付きの洗面台、さらに洗濯機みたいなものがある普通の脱衣場だ。そんな見慣れた環境にすごく安心するぞ。脱衣場に洗濯機があることに少し違和感を覚えるが、演習で汚れた服を脱いですぐ洗えるということを考えると便利だな。

 洗濯機には張り紙があったので読んでみると、洗濯乾燥まで20分と書いている。そんな短さで大丈夫なのか?と疑問に思ってしまったが、この洗濯機は魔力エーテル駆動なので、魔法を駆使して短時間で済むようになっているのだろう。多分、魔法で生成されたものは魔力供給がなければ存在することができない性質を使っているはずだ。つまり、水魔法で水を生成し、魔力を供給しながら衣服を洗った後、魔力供給をストップすれば衣服の中の水が消える。そうすれば、綺麗になった乾いた衣服だけが残るという流れなのだろう。

 自分がいた世界では洗濯で濡れた衣服は乾かすのが普通だが、魔法を使った洗濯では乾くのが普通な感じ、異世界感を超感じるところである。え?これまでどうやって洗濯してたかって?そりゃ水に浸して洗剤投入からのもみ洗いで乾燥よ。それが一番しっくりくるからね。だけど、洗濯物干すのがちょっと面倒に感じてくるから考え直そうかな。

 そんなふうに思考を手のひら燕返ししながら洗濯機の前で考えているとサリアとリナが自分に声をかけてきた。


「カオリちゃん何してんのー?」

「早くお風呂入ろう?」


 心の準備をする前準備のために洗濯機のことばかり考えてしまった。ここまで足を踏み入れておいて何だが、サリアたちとお風呂に入る心の準備が全くできていない。しょうがないよね?

 サリアとリナに呼ばれて声の方に視線を向けると、タオルで前を隠した3人が目に映る。どう考えても着替えるのが早すぎなのでは?いや、そうじゃなくてだな。3人とも鎖骨あたりでタオルを持つことで裸を隠しているのだが、その光景といったらもう際どいものばかりだ。

 リナは早くしろと言わんばかりにぴょんぴょんと動いており、トレードマークのポニーテールが解かれてストレートとなった髪がふわふわとリナの周囲を漂う。その髪と同じくして体を隠しているタオルも動くので、隠された場所が今にも顕になりそうである。特に下の方がっ!今すぐその跳ねる動きを止めるんだっ!

 シルフィアはロッカーの方向に体を向けて捻るように自分を見ているわけなのだが、体を隠すためのタオルは体正面しか隠せていない。そのため、シルフィア柔らかそうなの横乳やその膨らみで持ち上げられているタオルと体の隙間が見えている。さらに、綺麗な背中がみえ、ぷりぷりのお尻に視線を誘導するかのように尻尾が動いているのでとても視線をどこに置けばいいのかわからない。ちゃんと隠して!隠してるけど!

 サリアはとてもやばい。そのスタイルの良さから正面を向いているがタオルで双丘全体を隠せておらずハリのある柔い素肌が露になっている。さらに双丘の大きさによって持ち上げられたタオルの長さの分、下の方を隠すのにギリギリだ。柔らかそうな体だが引き締まった体やギリギリ隠れていない鼠蹊部がのぞかせているあたりとても扇状的だ。この施設にもっと大きなタオルは無いんですか!無いんだけど!


「oh...」


 とても刺激的な光景にパンクして思わず天上を見上げた。それを見てかサリアたちは可愛いものを見るかのような表情となり、少しずつ自分に向かってにじり寄ってくる。

 そんなどこかで見たような光景に後退りながら言葉を発する。


「ねえ?なんでにじり寄ってくるの?怖いよ?」

「だって」

「カオリちゃん」

「可愛いですから」

「答えになってないよ!?」


 そんな問答をしているうちにロッカーの壁に追い込まれ、3人に周りを囲まれる形となった。3人と自分の身長差から目の前にはタオルに隠された双丘が迫りすごい圧迫感を感じる。近い、近すぎるぞ!よく見たら突起が...。ダメダメ、そんな光景をまじまじ見てはいけない!とりあえず手のひらで目を隠そう。そうしたら少しは冷静な思考ができるようになると思う。でも、状況確認のために手の隙間からちょっと覗いておこう。決して男子高校生的な考えからじゃない。決して!


「どうする?この可愛い生き物?」

「どうってそりゃ捕まえたんだしとりあえず脱がそう」

「それじゃ、私は押さえておきますね」


 不穏な言葉が聞こえたので3人の顔を見上げると素晴らしく悪い顔をしている。これからどう調理しようかそんな感じだ。それに、自分が脱がされる流れだよね?あれ?これって自分で脱ぐ以上に恥ずかしいのでは?やばみがあるな?とりあえず動いて自分で脱ぐ意思を伝えないと!


「大丈夫、自分で脱げるから先行っててよ。恥ずかしいし」


 そう言いながら、両手で目を隠しながら包囲網を掻い潜ろうと移動しようとする。だが、それを阻止しようとサリアたちは自分が通れる隙間を無くすように動き、さらに自分との距離を詰める。


「「「ダメです」」」

「そんな全員否定しなくても?」


 さらに、サリアが囲む包囲網から突破しようと移動するも、先ほどと同じく距離を詰められる。一歩動けばサリアたちの体に触れるような距離だ。くっ、これじゃ逃げることもできないじゃないか。熟練のパーティーに追い詰められた魔物の気分だぞ。


「「「だって逃げそうだし」」」

「信頼ゼロじゃん!?」

「「「観念してね?」」」


 そういうとサリアたちは自分を拘束した。ちょっと?サリアさん?リナさん?シルフィアさん?そんな顔初めて見たよ?ねえ?怖いよ????両手を拘束しないで目を隠す事ができなくなるし、ちょっと待とうか?ってサリアさんよ、なんでしゃがむの?もしかして脚につけてるホルダーを外しにかかってらっしゃる?


「ちょ待って、脱げる脱げるから待って、きゃ~~~もうお嫁にいけない~~!」


 ちゃんと意味通りに使うことになるとは思っても見なかったぞ。ちょやめれ、パンツはちゃんと脱ぐので。脱ぐので!ちゃんと言った!言ったのに!待って!あっ、あーーーっ!


 サリアたちに身包みを剥がされた恥ずかしさで座り込んで体を抱きしめている間に、装備等々はロッカーの中に入れられ洗濯可能なものは洗濯機の中へと投入されていた。手早いことで。

 この後も、サリアたちの裸にドギマギしたりスタイル良すぎないかと思ったりしたりしてお風呂を過ごすことになった。この世界の女子たちは色々積極的すぎやしないだろうか?サリアたちが特別なだけか?どちらにせよ、精神が持ちそうにないな!


 そして、全ては寝るだけになったのだが、サリアたちはお風呂の時とは違い、テンション上げ上げパーティーナイトするわけでもなく、すぐに眠りについた。お風呂で疲れが取れたのと、いろんな意味でスッキリしたからなのだろう。そのおかげで、安心して寝ることができるな。睡眠はとても重要だかんね!でも、この部屋に漂う石鹸の香りはどうしても大浴場での出来事を思い出してしまう。これは悶々とした夜になりそうだ。

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